专利摘要:
本発明では、選択的ALK活性阻害剤と、該化合物を含む組成物と、哺乳類におけるALK活性または発現により特徴づけられる疾病または症状の処置または予防のために該化合物を用いる方法とが提供される。本発明では、哺乳類における異常なALK、RET、ROS、Axl、およびTrkファミリーのチロシンキナーゼ活性またはチロシンキナーゼの発現により特徴付けられる、疾病または症状の処置または予防において有用な、Ret、Ros、Axl、およびTrkファミリーの構成員(TrkA、B、およびC)などの、ALKに進化的および構造的に関連するチロシンキナーゼの選択的阻害剤が提供される。なし
公开号:JP2011515397A
申请号:JP2011500801
申请日:2009-03-18
公开日:2011-05-19
发明作者:アニキン,アレクセイ;ヴァイラゴウンダー,ラネンドラン;ヴァヴィララ,ゴヴェルダン・レディ;カサノヴ,アリシャー;カダシュキン,アレクサンダー;グレガー,ヴラド・エドワード;ジャン,ルヨン;ジュウ,トン;シルヴァジ,モハン・サンサナム;ゾズルヤ,セルゲイ;チュチョロウスキ,アレクサンダー;ピッケンズ,ジェーソン・シー;マクグラス,ダグラス・エリック;ミケル,チャールズ;ヤン,チェン;リュー,ヤフア
申请人:ケムブリッジ・コーポレーション;
IPC主号:C07D487-04
专利说明:

[0001] 本発明の開示は、チロシンキナーゼ酵素阻害、詳しくは新規の小分子を用いる未分化リンパ腫キナーゼ(以下、ALK)の阻害の分野に関する。ALK活性を調節する能力のある化合物と、該化合物を含む組成物と、ALK活性または発現により特徴づけられる疾病または症状の処置または予防に該化合物を用いる方法とを提供する。]
背景技術

[0002] 前記未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)はインスリン受容体スーパーファミリーに属するチロシンキナーゼ受容体であり、通常は胚形成の過程で神経組織に発現される(モリス(Morris)ら、Oncogene,1997,14:2175〜2188;イワハラ(Iwahara)ら、Oncogene,1997,14:439〜449)。特にALK遺伝子の転写産物は、間脳、中脳、および脊椎の腹側半分を含む中枢神経系の特定の部位に高度に発現される。末梢神経系においてはALKの発現は、三叉神経、交感神経、および腸神経節に検出される。出生後に発現は減少するが、嗅球および視床などの特定の領域に存続する。神経系の発育におけるALKの明白な機能にもかかわらず、ALKの生理的役割のほとんどは不明である。最近の研究は、プレイオトロフィン(PTN)およびミッドカイン(MK)がALKの同種リガンドであることを提唱している(ストイカ(Stoica)ら、J Biol Chem,2001,276(20):16772〜16779;ストイカ(Stoica)ら、J Biol Chem,2002、277(16):14153−14158)が、現状では、リガンド依存性のALK活性化の正確な機構と生物学的因果関係は完全には解明されていない。]
[0003] ALKは最初に未分化大細胞リンパ腫(ALCL)として知られるヒト非ホジキンリンパ腫のサブタイプへの関与により同定された。ALCLの多くの症例は、相互転座t(2;5)(p23;q35)に関連しており、これは前記遺伝子を核小体結合リンタンパク質であるヌクレオフォスミン(NPM)をコードする5q35の位置において、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)である受容体チロシンキナーゼの遺伝子の2p23に融合させる。生じる融合遺伝子は、N末端からのNPMの40%が、機能性チロシンキナーゼ領域を含む完全なALKの細胞質内の部分と融合したキメラの80−kDタンパクをコードする(モリス(Morris)ら、Science,1994,263:1281〜1284)。NPM−ALKキナーゼ領域の構成的活性化は、PI3K−AKT、JAK−STAT、およびPLCγ等の抗アポトーシスおよび細胞増殖シグナル経路を活性化することで、細胞形質転換をもたらす(バイ(Bai)、1998;スルパック(Slupianek)、2001;ザモ(Zamo)、2002)。NPM/ALKの形質転換活性は、そのキナーゼ活性に依存する(ビショフ(Bischof)1997)。もっとも頻繁に生じるALK陽性ALCLへのALKの発癌性の融合の症例(「ALKomas」)は、NPM−ALK(ALK−陽性ALCL症例の約80%)であり、その結果として他のALK遺伝子の融合がヒト血液癌および固形癌で同定されている。これらには、TPM3−ALK(非筋肉性トロポミオシン3およびALKの融合物)、TPM4−ALK、ATIC−ALK、CLTC−ALK、RanBP2−ALK、TFGL/S−ALK、CARS−ALK、MSN−ALKおよびその他のものが挙げられる。]
[0004] 全ての既知のALK融合タンパクは、ALKの融合相手のシークエンスの中にある種のオリゴマー化領域を有するという本質的特徴を共有し、このオリゴマー化領域は、一定のリガンド非依存性ALKキナーゼ領域の活性化を引き起こすALK融合物の構成的自己会合を媒介する。NPM−ALKと同様に、関連するALK融合タンパクは、明白にその構成的キナーゼ活性により媒介される形質転換および発癌性を潜在的に有することが示されている。ALK陽性リンパ腫は、比較的良性な予後を持つが、約40%の患者は、標準療法(CHOP)に反応しないか、またはその終了後に再発する。ALCLを含む非ホジキンリンパ腫の従来の治療に用いられるCHOP(シクロホスファミド、ヒドロキシドキソルビシン、オンコビン、プレドニゾン)、およびCHOP類似の多剤混合化学療法の投薬計画には、小児患者にとって特に厄介な問題となる、著しい急性および慢性毒性が伴う。したがって、高度に有効で、かつ標的が絞られた療法は、忍容性が良好で有効なものであれば、再発患者のみならず、一次治療においても有益であり、かつ高度に保証される。]
[0005] ALKomasに加えて、いくつかの研究グループは、稀なタイプであるB細胞非ホジキンリンパ腫におけるNPM−ALKおよび関連する融合タンパク様CLTC−ALKの存在を記載している。ALK遺伝子の再構成は、炎症性繊維芽細胞腫瘍(IMT)中でも特定されている。これらの稀な紡錘細胞増殖は、コラーゲン基質における悪性筋繊維芽細胞および浸潤性非悪性炎症性細胞を含むもので、子供および若年成人の軟組織に主として生じる。]
[0006] より最近になって、棘皮動物微小管会合タンパク様4(echinodermmicrotubule-associatedprotein-like4)(EML4)遺伝子および未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)遺伝子の一部分を含む、新規発癌性ALK融合物であるEML4−ALKが、非小細胞肺癌(NSCLC)のサブセット中に存在することが示唆されている(ソダ(Soda)、2007)。この融合チロシンキナーゼを発現するように強制されたマウス3T3繊維芽細胞は、形質転換巣を培地中に形成し、ヌードマウスに皮下腫瘍を発生させた。EML4−ALK融合物の転写物は、試験された75名のNSCLC患者の6.7%に検出され、これらの人たちは上皮細胞増殖因子遺伝子に変異を持つ人たちとは異なっていた。発癌性TPM4−ALK融合物の存在は、イラン人(ジャジイ(Jazii)、2006)および中国人患者(ヅー(Du)、2007)の食道癌の試料からも、プロテオミクス法により検出されている。これらの発見は、EML4−ALKおよびTPM4−ALKの融合物が、NSCLCのかなり大きなサブセット、および特定の食道癌における治療標的として有望な候補であることを強く示唆する。]
[0007] 特定の種類の癌における、無秩序な全長ALKシグナル伝達、および非転座の全長ALKの治療標的としての有用性の可能な妥当性に関する、特定の付加的事実は注目に値する。小さな分泌増殖因子であるプレイオトロフィン(PTN)およびミッドカイン(MK)が、正常な全長のALK受容体タンパクのシグナル伝達を活性化することが見出されている(ストイカ(Stoica)ら、2001、上掲;ストイカ(Stoica)ら、2002、上掲。これらリガンドの異なる分子形態による、ALK活性化の正確なメカニズムおよび生物学的重要性は現時点では完全には解明されていない(ルー(Lu)、2005;ペレス−ピネラ(Perez−Pinera)、2007)が、PTNおよび/またはミッドカインならびにALKの間の機能的な関連はよく確立されている。多数の研究によって、腫瘍の増殖、腫瘍に関連する異常な血管形成、および転移の一因にPTNおよびMKがなっているという証拠が得られている(カダマツ(Kadamatsu)、2004;ベルナール−ピエロ(Bernard−Pierrot)2002)。例えば、PTNおよびALKの両方ともヒトのグリア芽腫において過剰発現されること、およびリボザイムによるALK発現の下方制御によってマウスでのヒトのグリア芽腫の異種移植片の増殖が抑制され、腫瘍を持つ動物の生存期間が延長されることが、見出されている(パワーズ(Powers)2002;グルツェリンスキー(Grzhelinsky)2005)。全長ALK受容体の、特定の神経芽細胞腫での発現または過剰発現は、びまん性大細胞型B細胞非ホジキンリンパ腫、平滑筋肉腫、および悪性神経鞘肉腫で報告されている(プルフォード(Pullford)ら、J.Cell.Physiol,2004,199:330〜358)。同様に、黒色腫や肺癌などの外胚葉起源の通常の固形癌から確立された細胞株が、ALK受容体のmRNA発現を示すことが報告されている(プルフォード(Pulford)、2004、同上)。今後数年以内に、さらなる分析によって、発生におけるALKのシグナル伝達の役割、およびこれらのさまざまな癌の進行が解明されるであろう。]
[0008] マウスALK遺伝子をノックアウトした研究では、ALK陰性マウスは明白な肉眼的な解剖学的、組織学的、または機能的な異常を示さず、かつ正常な寿命を持つことが実証されている(プルフォード(Pulford)、2004、同上)。したがって、主に神経組織で発現されるALKの生理学的機能は、大部分は不必要なものと思われる。これらの観察により、ALKの異常な発癌性機能を標的とする治療的なアプローチが、同時に起きる正常なALK機能の阻害に起因する制限的な毒性を伴う可能性は低いと考えられる。]
[0009] したがって、さまざまな細胞質ALK融合タンパクと膜貫通受容体形態の全長ALKとの両方が、抗癌剤の妥当な分子標的である。したがって、ALKキナーゼの小分子の阻害剤は腫瘍の増殖および血管形成を阻害する薬剤となる可能性が高い。]
[0010] 最近報告された前臨床研究は、ALK陽性ALCLにおける、NPM−ALK阻害の有効性に関する原理への説得力のある証拠を、実験的に観察された際立った抗腫瘍活性とともに提供している。例えば、ノバルティス社(Novartis)により行われた研究は、動物が小分子のALKキナーゼ阻害剤であるNVP−TAE684で処置された場合に、ヒトNPM−ALK陽性ALCL細胞株Karpas−299をマウスへ皮下注射することにより確立されたリンパ腫の腫瘍が退縮すること実証している(ガルキン(Galkin)、2007)。]
[0011] 発癌性ALKシグナル伝達の阻害のための、他の実験的アプローチも、このシグナル伝達を阻害する薬剤が、大変強力な抗癌活性を有する可能性を示唆している。ピバ(Piva)およびその共同研究者は、siRNA(低分子阻害リボ核酸)により媒介されるNPM−ALKシグナル伝達阻害が、マウスへのALCL異種移植片の増殖を顕著に減少させたことを、最近示している(ピバ(Piva)、2006)。ひとまとめにすると、これらのデータは、癌により引き起こされる異常なALCLでの、ALK融合タンパク活性の小分子の使用による阻害が、他のALKにより誘発される悪性腫瘍と同様に、顕著な抗腫瘍反応を生み出す可能性が非常に高いということを示している。]
[0012] WO2004/063151は、ピリドン誘導体のチロシンキナーゼ阻害活性を報告している。ピロロキニキサリンジオンおよびその誘導体はHIVインテグラーゼ阻害活性を有することを示している(WO 2004/096807)。]
[0013] ALKに対して活性を持つ少数の阻害剤のみが報告されている。サウビル(Sauville)(サウビル(Sauville)ら、J.Clin.Oncol.2001,19,2319〜2333)は、天然物であるスタウロスポリンの誘導体が、従来の化学療法および放射線療法によっては難治性である、ALK陽性の未分化大細胞リンパ腫患者において抗腫瘍活性を有することを示した。この研究においては、化合物のALK阻害能力が試験されていないことが注目されるべきであり、したがって、この化合物がALK阻害剤であることは公式には証明されていない。実際に、最近の報告は、スタウロスポリンがALKを直接阻害する最小限の能力しか持たないことを示唆している(ガンビー(Gunby)ら、Haematologica,2005,90,988〜990)。天然由来の構造的に関連したベンゾキノン同族体である、ゲルダナマイシンおよび17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(ボンビニ(Bonvini)ら、Cancer.Res.2002,62,1559〜1566)ならびにハービマイシンA(ターツロ(Turturro)ら、Clin.Cancer.Res.2002,8,240〜245)が、熱ショックタンパク経路を介して、プロテアソームにより媒介されるALKタンパクの分解を増加させることにより、そのALK阻害能力を発揮していることが報告されている。最近、ALK阻害活性を有する一連のピラゾロ[3,4−c]イソキノリン誘導体がWO 2005009389において公開されている。]
[0014] ATP競合的小分子ALK阻害剤の開発における困難の1つは、その化合物に、他の構造的に類似したプロテイン・キナーゼの中でALKに対する十分な選択性を与えることである。ヒト・ゲノム中の約520の進化的に関連するプロテイン・キナーゼの存在により、このことは厳しい任務となろう。特に、ALKに構造的に密接に関連するインスリン受容体キナーゼ阻害剤は、インスリンの作用を阻害して高血糖を招くために極めて望ましくない。]
[0015] 別の高度に関連するRTKはインスリン様増殖因子1受容体(IGF1R)である。最近数年間、IGF1Rは広範囲の悪性腫瘍における魅力的な腫瘍学の標的として浮かび上がっている(リードマン(Riedman)およびマコウレー(Macaulay),2006;タオ(Tao)ら、2007)。しかしながら、IGF1Rシグナル伝達の抑制は、小児患者(ALCL)の治療などの正常細胞/組織の増殖および増殖が必須である場合に、臨床状況において望ましくない副作用を潜在的に有する可能性がある。したがって、臨床的ALK阻害剤においては、インスリン受容体およびIGF1R等、関連するRTKに対して、十分に高いALK阻害の選択性が望まれる可能性が高い。逆に言えば、ALKに加えて、治療的に関連するPTK(多重ターゲッティング)の小サブセットの阻害は、抗癌薬の有効性、特にしばしば異質であり、かつ腫瘍生物学を複雑なものとした固形癌に対する有効性を改善することができる。]
[0016] ALKに進化的および構造的に関連するチロシンキナーゼの別のグループはRet、Ros、AxlおよびTrkファミリー(TrkA、BおよびC)のキナーゼである。]
[0017] RETは増殖、神経冠に由来した組織に増殖および分化のシグナルを伝達する役割を持つチロシンキナーゼ受容体であり、交感神経系、副交感神経系、腸神経系、および腎臓の正常な発達に必要とされる。Retの機能変異の獲得は、甲状腺髄様癌、多発性内分泌腺腫タイプIIおよびIII(またはMEN2AおよびMEN2B)を含むいくつかのヒト癌の増殖発達に関連している。RET変異は、褐色細胞腫瘍の内の少ない割合において特定されている。RET遺伝子を含む染色体の転座は、甲状腺乳頭癌(RET/PTCとしても知られる)と呼ばれる、散発的形態の甲状腺癌の最も一般的な原因の1つである。PTCへの甲状腺細胞形質転換が、過剰活性化されたRetにより促進される、という説得力のある実験的証拠がある(サントロ(Santoro)、2004)。RETに対する活性を有するキナーゼ阻害剤は、これらの種類の癌に対して現在前臨床または臨床開発中である。]
[0018] ROSは、ゲノム転座の結果として、グリア芽腫のサブセットにおいて構成的に活性化されることが分かっているチロシンキナーゼ受容体(チャーレスト(Charest)、2003;チャーレスト(Charest)、2006)であるとともに、高度に悪性で致死性の脳腫瘍における臨床的標的を意味するものであると考えられる。]
[0019] AXLは、アポトーシスの阻害とともに、新血管形成の促進に関与する独特なチロシンキナーゼ受容体であり、固形および血液の双方のいくつかの悪性腫瘍における実行可能な治療標的として浮かび上がってきている(ホランド(Holland)、2005)。特に、その遺伝子は慢性骨髄性白血病に関連する癌遺伝子(オブライエン(O'Bryan)、1991;ヤンセン(Jannsen)、1991)であり、さらに大腸癌、前立腺癌、黒色腫にも関連する(バン・ギンケル(Van Ginkel)、2004;サイナギ(Sainaghi)、2005)。骨髄性細胞でのAxlの過剰発現はII型糖尿病に関係することが示された(オウガスチン(Augustine)、1999)。小分子キナーゼ阻害剤によるAxl活性の調節は上述の症状の治療における有用性を持つ可能性がある。]
[0020] TrkAは、TrkBおよびTrkCも含むチロシンキナーゼのサブファミリーに属するチロシンキナーゼ受容体である。TrkBおよびTrkCはTrkAに構造的に密接に関係するが、ニュートロフィン(NT)ファミリーでは異なるリガンドに応答する。神経増殖因子(NGF)のTrkを介するシグナル伝達は、よく特徴付けられており、他のチロシンキナーゼ受容体の信号伝達機構に類似している。以下でより詳細に解説するように、TrkAはさまざまな悪性腫瘍と同様に、神経障害痛および特定の炎症性疾患における、十分に実証された、または可能性のある薬剤標的である。症状におけるニューロスロピン受容体TKファミリーの他の2つの構成員であるTrkBおよびTrkCの役割は、あまり関心を集めていないが、新たな証拠により両者はいくつかの種類の新生組織形成に関与しているとみなされている。]
[0021] TrkA遺伝子は、当初は大腸癌におけるキメラ性癌遺伝子と記載され(マーチン−ザンカ(Martin−Zanca)、1986)、これを活性化するゲノム転座は甲状腺乳頭癌において共通しており(ボンガーゾン(Bongarzone)、1989;ピエロッティ(Pierotti)、2006)、同様に乳癌においても生じている(ブルゼジアンスカ(Brzezianska)、2007)。TrkAおよびTrkCの過剰活性化による欠失または融合変異は、いくつかの急性骨髄性白血病および固形癌においても同定されている(ロイサー(Reuther)、2000;エグチ(Eguchi)、2005)。]
[0022] 正常組織と対比して、悪性組織でのTrkAの過剰発現と、関連する予後不良は、前立腺癌、膵臓がん、黒色腫、および中皮腫において見出されている(フェスツッキア(Festuccia)、2007;ミクニオスキ(Myknyoczki)、1999;フローレンス(Florenes)、2004;ダビドソン(Davidson)、2004)。TrkAは、過半数の前立腺癌において過剰発現され、およびアンドロゲン非依存性腫瘍においてはさらに増大している(パパトソリス(Papatsoris)、2007)。前立腺癌では、NGFおよびTrkAを含む自己分泌ループが、腫瘍の進展の原因である(ジャキュー(Djakiew)、1993)。NGF/TrkAの自己分泌ループおよびNGFの分裂促進的役割は、同様に乳癌細胞中で実証されている(シアレンザ(Chiarenza)、2001;ドール(Dolle)、2003)。NGFシグナル伝達が血管形成促進効果を持つことも示されている(カンタレラ(Cantarella)、2002)。]
[0023] 時には、リガンドであるBDNFとの関係において、TrkBは、しばしば神経芽腫から膵管腺癌にわたる、さまざまなヒト癌において過剰発現され、これらの癌において、それは腫瘍の拡大を可能とし、および抗癌剤への抵抗性に寄与する。TrkBはインビボでの攻撃的な発癌性の取得および転移性表現型に関連するアノイキス(剥離誘導アポトーシス)の強力な抑制剤として作用する(デスメット(Desmet)、2006;ドウマ(Douma)、2004)。要約すれば、Trkファミリーを構成するものは、前立腺癌、甲状腺癌、膵臓癌、大腸癌、乳癌、卵巣癌、黒色腫およびいくつかの白血病を含むいくつかの腫瘍において、癌遺伝子として関与するとみなされている。前立腺癌および甲状腺癌に関しては、TrkAは薬物標的として特によく検証されている。]
[0024] 強力かつ多様な実験的証拠が、TrkA経路を介するシグナル伝達を行う神経増殖因子(NGF)が、神経障害性および炎症性疼痛を含む特定の疼痛状態のメディエーターであることを示唆している(ペゼット(Pezet)、2006;ヘフティ(Hefti)、2006;ベネット(Bennet)、2001)。機能を中和する抗NGFおよび抗TrkA抗体は、炎症性、神経障害性、骨格性および癌性疼痛において治療効果を実証している(ウゴリニ(Ugolini)、2007;コウラー(Koewler)、2007;セブチック(Sevcik)、2005)。前立腺癌のような転移性の骨疼痛を有する症状、および膵臓癌のような神経周囲の発病を伴う症状では、癌の進展、疼痛およびTrkAシグナル伝達の全ては正の相互相関を持つことが示されている(ダン(Dang)、2006;ハルボーソン(Halvorson)、2005)。NGF/TrkA経路の阻害は、(i)炎症性疼痛;(ii)神経障害性疼痛、および(iii)癌性疼痛の、異なる性質の慢性疼痛の治療に有効であることが、よく検証されていると思われる。]
[0025] 皮膚においてTrkA受容体が、NGFのケラチン生成細胞の増殖を活性化し、ケラチン生成細胞のアポトーシスを阻害する能力を媒介することは注目に値する。NGFは、ケラチン生成細胞により生成され、その自己分泌ループを有する細胞増殖、および傍分泌経路を有するメラニン生成細胞増殖を活性化する(ディ・マルコ(Di Marco)、1993;ピンセリ(Pincelli)、2000)。NGF/TrkAシグナル伝達は炎症の調節(フロッサード(Frossard)、2004)および皮膚末梢神経の増殖の調節(レイチャウドリー(Raychaudhury)、2004)をおこなうもので、これらは乾癬およびアトピー性皮膚炎の構成要素である。乾癬およびアトピー性皮膚炎のネズミ科のモデルは確立されており、強力な非臨床的TrkA阻害剤であるK252aおよびAG879の両方がモデル動物において治療効果を持つことが実証されている(レイチャウドリー(Raychaudhury)、2004);タカノ(Takano)、2007)。このデータはTrkAがケラチン生成細胞の過剰増殖により特徴付けられる皮膚疾患における可能性のある薬物標的であることを示唆している。]
[0026] したがって、ALK活性の阻害は、さまざまな疾病の治療の、合理的で標的の絞られたアプローチを意味する。ALKに進化的および構造的に関連するRet、Ros、AxlおよびTrkファミリーの構成員などのいくつかのチロシンキナーゼが存在するため、選択的ALK阻害の目標とはならない、他の種類の悪性腫瘍での潜在的な有用性を持つ多標的型キナーゼ阻害剤を特定するか、またはリード最適化によって、目的とする特定のキナーゼに対する阻害選択性を精密に調整するかの、いずれかの機会がある。]
課題を解決するための手段

[0027] 本明細書では、選択的ALK活性阻害剤と、該化合物を含む組成物と、哺乳類におけるALK活性または発現により特徴づけられる疾病または症状の処置または予防のために該化合物を用いる方法とが提供される。]
[0028] 本明細書では、哺乳類における異常なALK、RET、ROS、Axl、およびTrkファミリーのチロシンキナーゼ活性またはチロシンキナーゼの発現により特徴付けられる、疾病または症状の処置または予防において有用な、Ret、Ros、Axl、およびTrkファミリーの構成員(TrkA、B、およびC)などの、ALKに進化的および構造的に関連するチロシンキナーゼの選択的阻害剤が提供される。]
[0029] 本発明により提供される化合物は、他の1つ以上のIRK(インスリン受容体キナーゼ)またはIGF1Rなどのチロシンキナーゼへの阻害活性と比較して、ALK、RET、ROS、AxlおよびTrkファミリーのチロシンキナーゼに対してより選択的な阻害剤である。]
[0030] 本発明により提供される化合物は、腫瘍性疾患、特にALK陽性未分化大細胞リンパ腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、びまん性大細胞型B細胞非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、食道癌、乳癌、神経芽細胞腫、およびグリア芽腫により侵された哺乳類の、処置および/または予防に用い得る。]
[0031] 本発明により提供される特定の化合物は、ALK、RET、ROS、AXLおよびTRKファミリーのチロシンキナーゼの異常な活性により引き起こされる、さまざまな種類の腫瘍および他の症状の処置において、治療的有用性を有する。特に、提供される化合物は強力にTrkAおよび/または他のTrkファミリーのキナーゼの触媒活性を阻害し、それによって、癌、慢性疼痛、および特定の過剰増殖性皮膚疾患に苦しめられている患者への新たな処置戦略を提供する。]
[0032] 本発明により提供される化合物は、限定はされないが、以下のものから選ばれるチロシンキナーゼに関連する疾病により侵された哺乳類の処置および/または予防に用い得る。すなわち、該疾患の例として、星状細胞腫、基底もしくは扁平上皮細胞癌、脳腫瘍、グリア芽腫、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、軟骨肉腫、子宮頸癌、副腎癌、絨毛癌、食道癌、子宮内膜癌、赤白血病、ユーイング肉腫、消化管癌、頭部および頚部癌、肝臓癌、神経膠腫、肝細胞癌、白血病、平滑筋腫、黒色腫、非小細胞肺癌、神経癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎細胞癌、横紋筋腫、小細胞肺癌、胸腺腫、甲状腺癌、睾丸癌、ならびに骨肉腫が挙げられる。]
[0033] 本発明により提供される化合物は、限定はされないが、以下のものから選ばれる過剰増殖性皮膚疾患などの、チロシンキナーゼに関連する疾病に侵された哺乳類の治療および/または予防に用い得る。すなわち、該疾患の例として、乾癬、尋常性座瘡、酒さ性ざ瘡、光線角化症、日光性角化症、ボーエン病、魚鱗癬、過角化症、ダリエル(Darrier)病などの角質化の疾患、掌蹠角皮症、毛孔性紅色粃糠疹、表皮母斑性症候群(epidermalnaevoidsyndrome)、変異性紅斑角皮症、表皮剥離性角質増殖症、非水疱性魚鱗癬様紅皮症、皮膚エリテマトーデス、および扁平苔癬が挙げられる。]
[0034] 一態様では、式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、塩、水和物もしくはプロドラッグが提供される:]
[0035] ]
[0036] 式中:
R2およびR3はそれぞれ独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ、低級アルキルアミノまたはジ−低級アルキルアミノ;
WはO、S、またはNReであり、
Re水素もしくは低級アルキルから選ばれるか;
またはWは任意に置換されるメチレン基を形成する、2つの水素原子の1つの炭素原子への結合を表し:]
[0037] ]
[0038] ここで、Rfは水素または低級アルキルから選ばれ;]
[0039] R4は、]
[0040] であり、式中、Raは任意に置換されるアリールまたはヘテロアリールであり;
Rbは低級アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、アミノメチル、ジ−低級アルキルアミノメチル、またはヘテロシクリルアミノメチルであり;
Rcは水素、ヒドロキシ、低級アルコキシ、または低級アルキルから選ばれ;
Rdは水素、または低級アルキルから選ばれ;ならびに
R1は以下に記載されるものである。]
[0041] 別の態様では、特にIGF1Rおよび/またはIRKに関して選択的なALK阻害剤である式(I)の化合物が提供される。]
[0042] さらに別の態様では、1つ以上の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、塩、水和物もしくはプロドラッグを含むALK活性またはその発現により特徴付けられる疾病または症状の処置に有用な薬学的組成物が提供される。]
[0043] またさらに別の態様では、1つ以上の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、塩、水和物もしくはプロドラッグを含む、ALK、RET、ROS、AXLおよびTRKファミリーのチロシンキナーゼ活性もしくはその発現により特徴付けられる、疾患または症状の処置に有用な薬学的組成物が提供される。]
[0044] ALK活性または発現により特徴付けられる疾患もしくは症状としては、限定はされないが、ALK陽性未分化大細胞リンパ腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、びまん性大細胞型B細胞非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、食道癌、乳癌、神経芽細胞腫、およびグリア芽腫が挙げられる。]
[0045] ALK、RET、ROS、AXL、およびTRKファミリーチロシンキナーゼ活性、または発現により特徴付けられる疾病または症状としては、限定はされないが、癌、慢性疼痛および特定の過剰増殖性皮膚疾患が挙げられる。]
[0046] さらに別の態様では、哺乳類に1つ以上の式(I)の化合物を投与することを含む、ALK活性または発現により特徴付けられる疾患もしくは症状を処置するための方法が提供される。]
[0047] さらに別の態様では、哺乳類に1つ以上の式(I)の化合物を投与することを含む、ALK、RET、ROS、AXLおよびTRKファミリーのチロシンキナーゼ活性、あるいは発現により特徴付けられる疾病またはは症状を処置するための方法が提供される。]
実施例

[0048] 用語の定義]
[0049] 化合物を記載する場合、かかる化合物を含む薬学的組成物、ならびにかかる化合物および組成物を用いる方法においては、特に指示がない限り、以下の用語が以下の意味を持って用いられる。化学基を意味するために、2つの用語が組み合わされて用いられる場合、組み合わされた用語は、特に指示がない限り、いずれかの方向にそれらの基が共有結合によって結合されて形成される基を意味する。例えば、用語「アシルアミノ」は、他に指示がない限り、"−C(O)−N(R)−"または"−N(R)−C(O)−"のいずれかを指し、および同様にスルホンアミドまたはアミノスルホニルは−S(O2)−N(R)−または−N(R)−S(O2)−のいずれかを意味することができる。]
[0050] 「アシル」は−C(O)Rラジカルを指し、式中Rは本明細書において定義される水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールである。代表的な例としては、限定はされないが、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル、ベンジルカルボニルなどが挙げられる。]
[0051] 「脂肪族」は、構成炭素原子の直鎖、分枝、または環状配置および芳香族性の不飽和の不在により特徴付けられる、ヒドロカルビル有機化合物または基を意味する。脂肪族としては、制限されることなしに、アルキル、アルキレン、アルケニル、アルケニレン、アルキニル、およびアルキニレンが挙げられる。脂肪族基は、一般的に1または2ないし約12個の炭素原子を有する。]
[0052] 「アルキル」は一価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指し、一実施形態では最大約11までの炭素原子を有し、別の実施形態では1ないし8個の炭素原子の低級アルキルであり、およびさらに別の実施形態では、1ないし6個の炭素原子である。その炭化水素鎖は直鎖か分枝のいずれかであり得る。この用語はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、tert−オクチルなどにより例示される。用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。用語「アルキル」は以下に定義される「シクロアルキル」をも包含する。]
[0053] 「置換アルキル」は、本明細書における「置換」の定義に列挙される基を包含し、およびアシル、アシルアミノ、アシロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ヘテロアリール、ケト、ニトロ、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリールチオ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)2−、およびアリール−S(O)2−からなる群から選ばれるもののうち、一実施形態では1つ以上の置換基を有するアルキル基を指し、別の実施形態では1〜5の置換基を有するアルキル基を指し、およびさらに別の実施形態では1ないし3個の置換基を有するアルキル基を意味する。]
[0054] 「アルキレン」は一実施形態では最大約11個の炭素原子を有し、および別の実施形態では1〜6個の炭素原子を有する、直鎖または分枝のいずれかであってよい二価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基を意味する。この用語はメチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、プロピレンの異性体(例えば、−CH2CH2CH2−およびCH(CH3)CH2−)などの基により例示される。]
[0055] 「置換アルキレン」は本明細書における「置換」の定義に列挙される基を包含し、およびアシル、アシルアミノ、アシロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリールチオ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)2−およびアリール−S(O)2−からなる群より選ばれるもののうち、一実施形態では特に1つ以上の置換基を有するアルキレン基、別の実施形態では1ないし5個の置換基を有するアルキレン基、およびさらに別の実施形態では1ないし3個の置換基を有するアルキレン基を意味する。]
[0056] 「アルケニル」は一価のオレフィン性の不飽和ヒドロカルビル基を指し、一実施形態では最大約11個の炭素原子、別の実施形態では2ないし8個の炭素原子、およびさらに別の実施形態では2ないし6個の炭素原子を有する、直鎖または分枝状あって、少なくとも1個の、特に1ないし2個のオレフィン性不飽和部位を有するものである。特定のアルケニル基としては、エテニル(−CH=CH2)、n−プロペニル(−CH2CH=CH2)、イソプロペニル(−C(CH3)=CH2)、ビニルおよび置換ビニルなどが挙げられる。]
[0057] 「置換アルケニル」は本明細書における「置換」の定義に列挙される基を包含し、およびアシル、アシルアミノ、アシロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリールチオ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)2−およびアリール−S(O)2−からなる群から選ばれる置換基のうち、一実施形態では特に1つ以上の置換基を有するアルケニル基、別の実施形態では1ないし5個の置換基を有するアルケニル基、およびさらに別の実施形態では1ないし3個の置換基を有するアルケニル基を意味する。]
[0058] 「アルケニレン」は二価のオレフィン性不飽和ヒドロカルビル基を指し、特に、一実施形態では最大約11個の炭素原子、および別の実施形態では2ないし6個の炭素原子を有し、少なくとも1つの、特に1ないし2個のオレフィン性不飽和部位を有する直鎖または分枝状のものを意味する。この用語はエテニレン(−CH=CH−)、プロペニレン異性体(例えば、−CH=CHCH2−およびC(CH3)=CH−およびCH=C(CH3)−)などにより例示される。]
[0059] 「アルキニル」はアセチレン性の不飽和ヒドロカルビル基、特に一実施形態では最大約11個の炭素原子、および別の実施形態では2ないし6個の炭素原子を有する、直鎖または分枝状であり、少なくとも1つの、および特に1ないし2個のアルキニル不飽和部位を有するものを意味する。アルキニル基の特定の非限定的例としてはアセチレニック、エチニル(−C≡CH)、プロパルギル(−CH2C≡CH)などが挙げられる。]
[0060] 「置換アルキニル」として、本明細書における「置換」の定義に列挙される基が挙げれ、詳しくは、アシル、アシルアミノ、アシロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリールチオ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)2−およびアリール−S(O)2−から選ばれる置換基のうち、一実施形態では特に1つ以上の置換基を有するアルキニル基、別の実施形態では1ないし5個の置換基を有するアルキニル基、およびさらに別の実施形態では1ないし3個の置換基を有するアルキニル基を意味する。]
[0061] 本明細書において用いられる「アルカノイル」は「アシル」を包含することができ、Rが水素または上記で定義されたアルキルである基R−C(O)−を意味する。]
[0062] 「アルコキシ」はRがアルキルである基−ORを意味する。特定のアルコキシ基の例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1、2−ジメチルブトキシ、などが挙げられる。]
[0063] 「置換アルコキシ」として、本明細書における「置換」の定義に列挙される基が挙げられ、詳しくはアシル、アシルアミノ、アシロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヘテロアリール、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリールチオ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)2−およびアリール−S(O)2−からなる群から選ばれる置換基のうち、一実施形態では特に1つ以上の置換基を有するアルコキシ基、別の実施形態では1ないし5個の置換基を有するアルコキシ基、およびさらに別の実施形態では1ないし3個の置換基を有するアルコキシ基を意味する。]
[0064] 「ヘテロアルキル」は上記で特定されたアルキル鎖であって、O、S、またはNから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を有するものを意味する。]
[0065] 「アリール」は、親分子の芳香族環システムの単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することにより誘導される一価の芳香族性炭化水素を意味する。典型的なアリール基としては、限定はされないが、アセアントリレン、アセナフフタレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンなどから誘導される基が挙げられる。特にアリール基は6ないし14個の炭素原子を含む。]
[0066] 「置換アリール」は本明細書における「置換」の定義に列挙される基を包含し、およびアシル、アシルアミノ、アシロキシ、アルケニル、置換アルケニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アルキニル、置換アルキニル、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリールチオ、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル-S(O)2−およびアリール−S(O)2−からなる群から選ばれる置換基のうち、一実施形態では特に1つ以上の置換基を有するアリール基、別の実施形態では1ないし5個の置換基を有するアリール基、およびさらに別の実施形態では1ないし3個の置換基を有するアリール基を意味する。]
[0067] 「縮合アリール」は2番目のアリール環または脂肪族環と、その2つの環炭素を共有するアリール環を意味する。特定の実施形態では、本発明により提供される二環式化合物は縮合アリールを含む。]
[0068] 「アミノ」は−NH2ラジカルを意味する。]
[0069] 「置換アミノ」として、本明細書における「置換」の定義に列挙される基が挙げられ、詳しくは基−N(R)2であって、それぞれのRが独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、および両方のR基が連結してアルキレン基を形成する基からなる群から選ばれる置換基であるものを意味する。両方のR基が水素の場合、−N(R)2はアミノ基である。]
[0070] 「アジド」は−N3ラジカルを意味する。]
[0071] 「カルバモイル」は−C(O)N(R)2ラジカルであって、それぞれのR基が独立して水素、本明細書において定義されるアルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、本明細書において定義される置換基により任意に置換されるものを意味する。]
[0072] 「カルボキシ」は−C(O)OHラジカルを意味する。]
[0073] 「シクロアルキル」は3ないし約10個の炭素原子を有し、および1ないし3個のアルキル基により任意に置換される、単一の環または複数の縮合もしくは架橋環システムを含む縮合環を有する、環状ヒドロカルビル基を意味する。かかるシクロアルキル基の例としてとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル、1−メチルシクロプロピル、2−メチルシクロペンチル、2−メチルシクロオクチルなどの単環構造が挙げられ、およびアダマンチルなどの多環構造が挙げられる。]
[0074] 「置換シクロアルキル」として、本明細書における「置換」の定義に列挙される基が挙げられ、詳しくはアシル、アシルアミノ、アシロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリールチオ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)2−およびアリール−S(O)2−からなる群から選ばれる置換基のうち、一実施形態では特に1つ以上の置換基を有するシクロアルキル基、別の実施形態では1ないし5個の置換基を有するシクロアルキル基、およびさらに別の実施形態では1ないし3個の置換基を有するシクロアルキル基を意味する。]
[0075] 「シクロアルコキシ」は、Rがシクロアルキルである基−ORを意味する。かかるシクロアルコキシ基としては、例としてシクロペントキシ、シクロヘキソキシなどが挙げられる。]
[0076] 「シクロアルケニル」は、3ないし10個の炭素原子を有し、単環または縮合もしくは架橋環系を含む多環縮合環であって、少なくとも1つ、特に1ないし2個のオレフィン性不飽和結合を持つ環状ヒドロカルビル基を意味する。かかるシクロアルケニル基は、例として、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロプロペニルなどの単環構造が挙げられる。]
[0077] 「置換シクロアルケニル」として、本明細書における「置換」の定義に列挙される基が挙げられ、詳しくはアシル、アシルアミノ、アシロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリールチオ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)2−およびアリール−S(O)2−からなる群から選ばれる置換基のうち、一実施形態では特に1つ以上の置換基を有するシクロアルケニル基、別の実施形態では1ないし5個の置換基を有するシクロアルケニル基、およびさらに別の実施形態では1ないし3個の置換基を有するシクロアルケニル基を意味する。]
[0078] 「縮合シクロアルケニル」は、その2つの環炭素原子を2番目の脂肪族または芳香族環と共有し、および芳香族性をシクロアルケニル環に与える位置にそのオレフィン性不飽和を有するシクロアルケニルを意味する。]
[0079] 「シアナト」は−OCNラジカルを意味する。]
[0080] 「シアノ」は−CNラジカルを意味する。]
[0081] 「ジアルキルアミノ」は−NRR'ラジカルを意味し、式中RおよびR'は独立して本明細書において定義されたアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリール基を表す。]
[0082] 「エテニル」は置換または無置換−(C=C)−を意味する。]
[0083] 「エチレン」は置換または無置換−(C−C)−を意味する。]
[0084] 「エチニル」は−(C≡C)−を意味する。]
[0085] 「ハロ」または「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。特定のハロ基はフルオロまたはクロロのいずれかである。]
[0086] 「ヒドロキシ」は−OHラジカルを意味する。]
[0087] 「ニトロ」は−NO2ラジカルを意味する。]
[0088] 「ヘテロ」は化合物上に存在する化合物または基を表すために用いられる場合、化合物または基の中の1つ以上の炭素原子が窒素、酸素、またはイオウヘテロ原子により置換されていることを意味する。ヘテロは、上述された任意のヒドロカルビル基に適用され、アルキルは、例えばヘテロアルキル、シクロアルキルは、例えばシクロヘテロアルキル、アリールは、例えばヘテロアリール、シクロアルケニルは、例えばシクロヘテロアルケニルなどに適用され、1ないし5個の、特に1ないし3個のヘテロ原子を有することができる。]
[0089] 「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」は親分子のヘテロ芳香族環系から1個の水素原子を除去して誘導される一価のヘテロ芳香族基を意味する。典型的なヘテロアリール基としては、限定はされないが、アクリジン、アルシンドール、カルバゾール、β−カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、テトラヒドロキノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンチンなどから誘導された基が挙げられる。特に、ヘテロアリールは他の飽和環系を含むことができ、したがって、インドリン、インドリジン、テトラヒドロキノリン、およびテトラヒドロイソキノリンから誘導されることができる。特定の実施形態では、前記ヘテロアリール基は5ないし20員環ヘテロアリールであり、特に特定の実施形態では5ないし10員環ヘテロアリールが有用である。特定のヘテロアリール基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、テトラヒドロキノリン、イソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、イミダゾール、オキサゾールおよびピラジンから誘導されるものである。]
[0090] 本明細書において使用される、用語「シクロヘテロアルキル」はN、OおよびSから独立して選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む安定なヘテロ環非芳香性環および縮合環を意味する。縮合ヘテロ環系は炭素環を含み、および1つのヘテロ環だけを含むことができる。ヘテロ環の例としては、限定はされないが、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペリジニルおよびモルホリニルが挙げられる。]
[0091] 「スルファニル」はHS−ラジカルを意味する。「置換スルファニルはRが任意の本明細書において記載される置換基であるRS−などのラジカルを意味する。特定の実施形態では、「置換スルファニル」はRが本明細書において定義される任意に置換されるアルキルまたはシクロアルキル基である−SRラジカルを意味する。アルキルチオまたはアリールチオは上記のスルファニル基を意味する。代表例としては、限定はされないが、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、フェニルチオなどが挙げられる。]
[0092] 「スルフィニル」は−S(O)Hラジカルを意味する。「置換スルフィニル」はRが置換基本明細書において記載される任意の置換基であるS(O)−Rなどのラジカルを意味する。]
[0093] 「スルホニル」は二価の−S(O2)−ラジカルを意味する。「置換スルホニル」はRが本明細書において定義される任意の置換基である−S(O2)−Rラジカルなどを意味する。「アミノスルホニル」または「スルホンアミド」はH2N(O2)S−ラジカルを指し、および「置換アミノスルホニル」または「置換スルホンアミド」は、Rがそれぞれ独立して任意の本明細書において記載される置換基である、R2N(O2)S−ラジカルを意味する。特定の実施形態では、Rは水素、低級アルキル、アルキル、アリールおよびヘテロアリールから選ばれる。]
[0094] 有機合成分野の当業者は、安定な、化学的に実現可能なヘテロ環の中の最大のヘテロ原子の数が、芳香族性であるか、非芳香族性であるかに関わらず、環のサイズ、不飽和度、およびヘテロ原子の価数により決定されることを認識するであろう。一般に、ヘテロ環は、ヘテロ芳香環が化学的に実現可能であり安定である限り1ないし4個のヘテロ原子を有することができる。]
[0095] 「薬学的に許容な塩」は、本発明により提供される化合物の、生物学的性質を保持する任意の塩であって、毒性がないか、または薬学的な使用において望まれないものではないものを意味する。かかる塩は、当分野で周知の種々の有機および無機対イオンから誘導できる。かかる塩としては:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、スルファミン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンチルプロピオン酸、グリコール酸、グルタミン酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、ソルビン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ピクリン酸、桂皮酸、マンデル酸、フタル酸、ラウリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1、2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、ショウノウ酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボキシン酸、グルコヘプタン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリルスルホン酸、グルコン酸、安息香酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、シクロヘキシルスルホン酸、キニン酸、ムコン酸などの有機または無機酸により形成される酸付加塩;または(2)親化合物の酸性部分が、(a)例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンまたはアルミニウムイオン、または水酸化物ナトリウム、水酸化物カリウム、水酸化物カルシウム、水酸化物マグネシウム、水酸化物アルミニウム、水酸化物リチウム、水酸化物亜鉛、および水酸化バリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物やアンモニアなどの金属イオンにより置換されて形成される塩、もしくは(b)アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、リジン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N´−ジベンジルエチレン−ジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルアミン、N−メチルグルカミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、テトラメチル水酸化アンモニウムなどの脂肪族アミン、脂肪族環状アミン、もしくは芳香族有機アミンなどの有機塩基の配位物などが挙げられる。]
[0096] 例としてだけであるが、塩はさらにナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどを含むことができ、および化合物が塩基性官能基を含む場合には、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシラート、ベシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などの無毒性有機または無機酸の塩も挙げられる。用語「生理的に許容可能なカチオン」は、酸性官能基の無毒性の生理的に許容されるカチオン性対イオンを意味する。かかるカチオンはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムおよびテトラアルキルアンモニウムカチオンなどにより例示される。]
[0097] 「溶媒和物」は、分子間力により結合した化学量論量または非化学量論量の溶媒をさらに含む、本発明により提供される化合物またはその塩を意味する。当該溶媒が水の場合には、この溶媒和物は水和物である。]
[0098] 同一の分子式を有するが、その原子の結合の配列において異なるか、または空間における原子の配置が異なるものは「異性体」と称されることが理解されるべきである。空間における原子の配置において異なる異性体は、「立体異性体」と称される。]
[0099] 互いに鏡像関係にない立体異性体は「ジアステレオマー」と称され、および互いに重ねることができない鏡像関係にあるものを「鏡像異性体(enantiomer)」と称する。化合物が不斉中心を持つとき、例えば、4つの異なる基に結合しているとき、1組の鏡像異性体が可能である。鏡像異性体はその不斉中心の絶対配置により特徴付けられ、カーン(Cahn)およびプレログ(Prelog)の規則に従い(R)または(S)で表示される(カーン(Cahn)ら、1966,Angew.Chem.,78:413〜447,Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.5:385−414(errata:Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.5:511);プレログ(Prelog)およびヘルムセン(Helmchen)、1982,Angew.Chem.94:614〜631、Angew.Chem.Internat.Ed.Eng.21:567〜583;マタ(Mata)およびロボ(Lobo)、1993,Tetrahedron:Asymmetry4:657〜668)か、または分子が偏光面を回転させる様式により特徴付けられ、右旋性または左旋性(すなわち、それぞれ(+)−または(−)−異性体)として表示される。キラル化合物は個々の鏡像異性体、またはその混合物のいずれかとして存在する。等量の鏡像異性体を含む混合物は「ラセミ混合物」と称される。]
[0100] 特定の実施形態では、本発明により提供される化合物は1つ以上の不斉中心を有することができ、かかる化合物はしたがって個々の(R)−または(S)−鏡像異性体として生成されるか、またはその混合物として生成される。他に指示のない限り、例えば化学式の任意の場所における立体化学の表示により、明細書または特許請求の範囲における特定の化合物の記載もしくは命名は、両方の個別の鏡像異性体、およびラセミであれその他のものであれ、それらの混合物を含むことが意図されている。立体化学の決定法および立体異性体の分離法は、当分野ではよく知られている。特定の実施形態においては、化合物の合成に、キラル合成の方法論を用いて合成されるか、またはキラルな酸もしくは塩基とのジアステレオマー性塩を形成することにより分離するか、またはキラルな固定相を含むキラルなクロマトグラフィーの手段により分離した、純粋な中間体、例えば純粋な鏡像異性体、またはジアステレオマーなどを構成単位として、使用することにより、本明細書において表示される化合物の立体異性体が得られる。本発明により提供される化合物の、ラセミまたはジアステレオマー混合物は、キラルな固定相クロマトグラフィーを含むクロマトグラフィーの手段によっても分離されることができる。]
[0101] 特定の実施形態では、本発明により提供される化合物は「立体化学的に純粋」である。立体化学的に純粋な化合物は、当業者により「純粋」として認識される水準の立体化学的純度を有している。もちろん、この純度の水準は100%未満であり得る。特定の実施形態では、「立体化学的に純粋」は、実質的に他の異性体を含まない化合物をあらわす。特定の実施形態においては、その化合物は他の異性体を85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%含まない。]
[0102] 本明細書において使用される用語「疾患」、および「疾病」は相互に交換可能に用いられて、被験体の症状を意味する。特定の症状は2つ以上の疾病により特徴付けられることができる。例えば、特定の症状は非癌性の増殖性疾患および炎症疾患の両方として特徴付けられる。]
[0103] 本明細書において用いられる「有効量」とは、疾患の重症度、持続時間の低減もしくは緩和、疾患の軽減の惹起、疾患に関連する症状の再発、進展、もしくは発病の予防、または別の療法の予防的もしくは治療的効果の増強もしくは改善に十分な本発明により提供される化合物の量を意味する。]
[0104] 本明細書において用いられる「組み合わせて」は、2つ以上の治療薬を用いることを意味する。「組み合わせて」を用いることは、疾患を有する被験体に対して薬剤投与が行われる順序(例えば、予防的および/または治療的薬剤)を制限しない。第1の治療薬は第二の治療薬に先立って(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、もしくは12週間前)、同時に、または後で(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、もしくは12週間後)投与することができる。]
[0105] 本明細書において用いられる用語「予防的薬剤」は、疾患またはそれに関連する1つ以上の症状を予防するために用い得る任意の薬剤を意味する。特定の実施形態では、用語「予防的薬剤」は本発明により提供される化合物を意味する。他の特定の実施形態では、用語「予防的薬剤」は本発明により提供される化合物を指さない。特定の実施形態では、予防的薬剤は疾患の発病、進展、進行および/または重症度を妨げるか予防するのに有用であることが知られているか、すでに使われているか、もしくは現在用いられている薬剤である。予防的薬剤は、その薬剤が体外および/または体内で有する1つ以上の効果に基づき、さまざまな薬剤として特徴付けられる。例えば、抗血管新生阻害薬は免疫調節剤としても特徴付けられる。]
[0106] 本明細書において用いられる「予防する」、「予防している」および「予防」は、治療薬もしくは治療薬の混合物の投与によりもたらされる、被験体における疾患の1つ以上の症状の再発、発病、または進展の予防を意味する。]
[0107] 本明細書において用いられる語句「予防的有効量」は、疾病に伴う1つ以上の症状の進展、再発もしくは発病の防止、または他の治療薬の予防効果を増強もしくは改善するのに十分な治療薬の量を意味する。]
[0108] 本明細書において用いられる用語「被験体」および「患者」は、本明細書においては相互に交換可能に用いられる。「被験体」および「患者」は動物を指し、特定の実施形態では霊長類以外の哺乳動物(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラットおよびマウス)、霊長類(例えば、カニクイザルやチンパンジーのようなサルおよびヒト)、ならびに特にヒトを意味する。別の実施形態では被験体は家畜(例えば、ウマ、ウシ、ブタ)またはペット(例えば、イヌもしくはネコ)を意味する。特定の実施形態において被験体はヒトである。]
[0109] 本明細書において用いられる用語「相乗的」は、本発明により提供される化合物、およびを管理または治療するために既に用いられているか、もしくは現在用い始められている別の治療薬の組み合わせであって、両方の治療薬の効果の和よりも効果があるものを意味する。治療薬の組み合わせの相乗的効果は、疾患を持つ被験体に対して、1つ以上の治療薬のより低薬量での使用、および/またはより低頻度での投与を可能にする。治療薬の、より低薬量での使用、および/またはより低頻度での投与ができる能力は、該治療薬の疾患の予防、管理または治療における効果を低下させることなく、被験体への該治療薬の投与に伴う毒性を低減する。加えて、相乗的効果は疾患の予防、管理または治療における薬剤の改善された有効性をもたらす。最終的に、治療薬の組み合わせによる相乗的効果は、いずれかの治療薬の単独使用に関連する有害もしくは望まない副作用を回避または低減させる。]
[0110] 本明細書において用いられる用語「治療的薬剤」は、疾患またはその1つ以上の症状の、治療、管理もしくは軽減に用い得る任意の薬剤を意味する。特定の実施形態では、用語「治療的薬剤」は、本発明により提供される化合物を意味する。特定の他の実施形態では用語「治療的薬剤」は、本発明により提供される化合物を指さない。特定の実施形態では、治療的薬剤は疾患またはその1つ以上の症状の、治療、管理もしくは軽減に有用であることが知られているか、既に用いられているか、もしくは現在用いられ始めている薬剤を意味する。治療的薬剤はその薬剤が体外および/または体内で有する1つ以上の効果に基づき、さまざまな薬剤として特徴付けられる。例えば、抗炎症薬は免疫調節剤としても特徴付けられる。]
[0111] 本明細書において用いられる用語「治療的有効量」は、疾患の1つ以上の症状の軽減、疾患の進展の防止、疾患の軽減の惹起、または別の治療薬の治療効果の増強もしくは改善をもたらすのに十分な薬剤の量を意味する。特定の実施形態では、癌の治療の点で、有効量とは、癌細胞の増殖を阻害もしくは低減させ、腫瘍細胞の拡散(転移)を阻害もしくは低減させ、癌に関連する1つ以上の症状の発病、進展、進行を阻害もしくは低減させ、または腫瘍のサイズを縮小するのに十分な薬剤の量を意味する。特定の実施形態では、治療薬の治療的有効量は癌性細胞の増殖を低減させるか、またはリン酸緩衝生理食塩水などの対照、もしくは偽薬と比較して、そのサイズを少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%縮小させる。]
[0112] 本明細書において用いられる用語「治療法」は、疾患またはそれに伴う1つ以上の症状を、予防、治療、管理、もしくは軽減させる任意のプロトコール、方法および/または薬剤を意味する。特定の実施形態では用語「治療」は、疾患またはその1つ以上の症状の予防、管理、治療もしくは軽減に有用な、医療分野の技術に習熟した者(例えば熟練した医師)に周知の、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、生物療法および/または他の療法を意味する。]
[0113] 本明細書において用いられる用語「処置する」、「処置」および「処置している」は、一種類以上の治療薬の投与に起因する、疾患の進行、重症度および/もしくは持続期間の緩和、または疾患の1つ以上の症状の軽減を意味する。]
[0114] 本明細書において用いられる用語「調節」または「調節する」は、チロシンキナーゼの触媒的活性を変更することを意味する。特に「調節する」は、チロシンキナーゼの活性化または阻害を意味することができる。該チロシンキナーゼは当業者に周知の任意のチロシンキナーゼであってよい。特定の実施形態では、該チロシンキナーゼはチロシンキナーゼ受容体または細胞内チロシンキナーゼである。]
[0115] 本明細書において用いられる用語「ALK」は未分化リンパ腫キナーゼを意味する。]
[0116] 本明細書において用いられる定義は、関連技術において一般的に受け入れられているもの、および本明細書において明確にされるものに従っている。]
[0117] 化合物]
[0118] 一実施形態では式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、塩、水和物もしくはプロドラッグが提供される:]
[0119] ]
[0120] 式中:
R2およびR3それぞれ独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ−低級アルキルアミノであり;
WはO、S、またはNReであり、式中
Reは水素または低級アルキルから選ばれるか;
またはWは任意に置換されるメチレン基を形成する、2つの水素原子の1つの炭素原子への結合を表し:]
[0121] ]
[0122] 式中Rfは水素または低級アルキルから選ばれ;]
[0123] R4は]
[0124] ]
[0125] であり、
式中、
Raは任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールであり、
Rbは低級アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、アミノメチル、低級アルキルアミノメチル、ジ−低級アルキルアミノメチルまたはヘテロシクリルアミノメチルであり;
Rcは水素、ヒドロキシ、低級アルコキシ、または低級アルキルから選ばれ;
Rdは水素、または低級アルキルから選らばれ;および
R1は、独立して、任意に置換されたヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルオキシアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクリルアミノアルキル、アミノアルキル、低級アルキルアミノアルキル、ジ−(低級アルキル)−アミノアルキル、アミノシクロアルキル、アルキルアミノシクロアルキル、ジ−(低級アルキル)−アミノシクロアルキル、ジ−(低級アルキル)−アミノシクロアルキルアルキルから選ばれ、式中該置換基は水素、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、アミジノ、カルボキシアミド、スルホンアミド、ヒドロキシ、シアノ、1級、2級または3級アミノ、ハロ、アジド、低級アルコキシアルキル、シアノアルキル、アジドアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、メタンスルホニルアルキル、1級、2級または3級アミノ−アルキル、任意に置換されたアリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルケニル、およびアルキニルから選ばれる。]
[0126] 別の実施形態では、R2およびR3は水素またはメチルである。]
[0127] さらに別の実施形態では、Wは]
[0128] ]
[0129] である。]
[0130] 一実施形態では、Raは任意に置換されたチエニルまたはフェニルであり、式中、該任意の置換基はアルキル、アルコキシまたはハロである。]
[0131] 別の実施形態では、Raは任意に置換されたチエニルまたはフェニルであり、式中、該任意の置換基はメチル、メトキシまたはフルオロである。]
[0132] さらに別の実施形態では、Raはチオフェン、フェニル、メチルチオフェン、メチルフェニル、フルオロメチルフェニル、フルオロメトキシフェニル、トリフルオロフェニル、またはテトラフルオロフェニルである。
別の実施形態では、RcおよびRdは水素またはヒドロキシである。]
[0133] 一実施形態では、Rbはアルキルである。]
[0134] 別の実施形態では、Rbはメチルである。]
[0135] 別の実施形態では、R1としては、限定はされないが以下のものから選ばれる:]
[0136] ]
[0137] 式中:
R13は水素、低級アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルから選ばれ;
R14は水素、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ジ−(低級アルキル)アミノ、低級アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、低級アルコキシアルキル、シアノアルキル、アジドアルキル、ニトロアルキル、ケトアルキル、メタンスルホニルアルキル、アミノアルキル、低級アルキルアミノアルキル、ジ−(低級アルキル)アミノアルキル、任意に置換されたアリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、およびヘテロアリールアルキルから選ばれ;
R15は水素、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ−(低級アルキル)アミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヘテロアルキル、低級アルコキシアルキル、アミノアルキル、低級アルキルアミノアルキル、およびジ−(低級アルキル)アミノアルキルから選ばれ;
aは0ないし4の整数であり;および
t、u、vは0ないし5の独立した整数である。]
[0138] いずれかの整数が0(零)の場合、それは共有化学結合を意味することが理解されるべきである。]
[0139] 別の実施形態では、R1はさらに以下のものから選ばれる:]
[0140] ]
[0141] ]
[0142] 特定の実施形態では、結合およびヘテロ原子の間の1つ以上のR1メチレン鎖は、1つ以上の水素、低級アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシアミドまたはスルホンアミドにより任意に置換される。]
[0143] 特定の実施形態では、R1メチレン基は、OおよびS、またはNR***から選ばれるヘテロ原子、S=O、またはS(=O)2であって、式中R***は水素、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、低級アルキルアミノアルキルおよびジ−(低級アルキル)アミノアルキルから選ばれる置換基により任意に置換される。]
[0144] 特定の実施形態では、いずれのR1環も低級アルキル基またはヘテロアルキル基により任意に置換される。]
[0145] 別の実施形態では、以下の式(Ia)またはその立体異性体、互変異性体、塩、水和物もしくはプロドラッグが提供される:]
[0146] ]
[0147] 式中、置換基は上記で定義されたものである。]
[0148] 本発明により提供される化合物は、特にIGF1Rおよび/またはIR(インスリン受容体)阻害に比較してALKに対して選択的な阻害剤である。]
[0149] 式(I)に従う以下の例示的化合物は、本明細書において記載される方法に従って調製した:]
[0150] ]
[0151] ]
[0152] ]
[0153] ]
[0154] ]
[0155] ]
[0156] ]
[0157] ]
[0158] ]
[0159] ]
[0160] ]
[0161] 全ての化合物は、以下に限定はされないが、例示されるような互変異性体の形態を含む:]
[0162] ]
[0163] 対応するプロドラッグも、限定されるものではなく、当分野で周知のものであり、酢酸エステル、プロピオン酸エステルや他の脂肪酸のエステル、およびグリシン、バリン・エステルなどの天然型および非天然型のアミノ酸エステルなどのエステル類、アセトアミド、プロピオンアミドおよび他の脂肪酸または芳香族酸のアミド、グリシン・アミドや他の天然型および非天然型のアミノ酸のアミドなどのアミド類、メトキシまたはエトキシ、メトキシエチル、エトキシエチル、ヒドロキシエチル、プロピレングリコールエーテルおよび/またはポリエチレングリコールエーテルおよび/またはポリプロピレングリコールエーテルなどのエーテル類が挙げられる。]
[0164] 使用の方法]
[0165] 一態様では、チロシンキナーゼ活性を調節する方法が提供される。一実施形態では、前記方法はチロシンキナーゼを、本発明により提供される化合物と接触させるステップを含む。この接触は、例えば、インビトロ(in vitro)、インビボ(in vivo)、エクスビボ(ex vivo)などの当業者に知られている環境中で行い得る。特定の実施形態では、本発明により提供される化合物をチロシンキナーゼと接触させることを含む、それを必要とする哺乳類のチロシンキナーゼ活性を調節する方法が提供される。調節はチロシンキナーゼの活性化または阻害を意味し得る。このチロシンキナーゼは、当技術分野で知られている任意のチロシンキナーゼであってよい。特定の実施形態では、このチロシンキナーゼは、チロシンキナーゼ受容体または細胞内チロシンキナーゼである。]
[0166] 特定の実施形態では、前記チロシンキナーゼ受容体はEGFR、HBER2、HER3、HER4、IR、IGF1R、IRR、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、HGFR、CSFIR、C−Kit、C−fms、Flk4、KDR/Flk−1、Flt−1、FGF1R、FGF2R、FGF3R、およびFGF4Rからなる群から選ばれる。]
[0167] 特定の実施形態では、前記細胞内チロシンキナーゼはAlk、Src、Frk、Btk、Csk、Abl、ZAP70、Fes、Fps、Fak、Jak1、Jak2、Jak3、Jak4、Ack、Yes、Fyn、Lyn、Lck、Blk、Hck、FgrおよびYrkからなる群から選ばれる。]
[0168] 特定の実施形態では、前記細胞内チロシンキナーゼはAlkである。]
[0169] 別の特定の実施形態では、前記チロシンキナーゼは、Ret、Ros、AxlおよびTrkファミリーの構成員(TrkA、BおよびC)などのALKに進化的および構造的に関連したものである。]
[0170] 別の態様では、それを必要とする被験体の、チロシンキナーゼに関連した疾患の処置または予防法が提供される。一実施形態では、前記方法は、被験体への、開示された化合物の疾患の治療または予防のための有効量の投与を含む。該化合物は薬学的組成物の形態、または以下に記載される単位投与量であることができる。]
[0171] チロシンキナーゼ関連疾患は、当業者に周知のチロシンキナーゼ活性に関連する任意の疾患であってよい。このような疾患は、過剰なチロシンキナーゼ活性に関連するもの、低減されたチロシンキナーゼ活性に関連するもの、およびチロシンキナーゼ活性の調節により処置または予防可能なものである。過剰なチロシンキナーゼ活性は、例えば:(1)通常はチロシンキナーゼを発現しない細胞中でのチロシンキナーゼの発現;(2)望まれない細胞増殖、分化および/または増殖につながる増大したチロシンキナーゼ発現;または、(3)細胞増殖、分化および/または増殖の減少につながる減少したチロシンキナーゼ発現の結果として生じ得る。]
[0172] 前記チロシンキナーゼに関連する疾患は、限定はされないが、星状細胞腫、基底もしくは扁平上皮細胞癌、脳腫瘍、グリア芽腫、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、軟骨肉腫、子宮頸癌、副腎癌、絨毛癌、食道癌、子宮内膜癌、赤白血病、ユーイング肉腫、消化管癌、頭部および頚部癌、肝臓癌、神経膠腫、肝細胞癌、白血病、平滑筋腫、黒色腫、非小細胞肺癌、神経癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎細胞癌、横紋筋腫、小細胞肺癌、胸腺腫、甲状腺癌、睾丸癌、ならびに骨肉腫から選ばれる癌である。]
[0173] 前記チロシンキナーゼに関連する疾患は、糖尿病、自己免疫疾患、アルツハイマー病および他の認知疾患、過剰増殖疾患、加齢、癌、末端肥大症、クローン病、子宮内膜症、糖尿病性網膜症、再狭窄、繊維症、乾癬、変形性関節症、関節リウマチ、炎症疾患および血管形成から選ばれるIGFR関連疾患であることができる。]
[0174] 本発明により提供される化合物により治療され得る他の疾患としては、制限することなく、動脈硬化などの免疫性および循環器系疾患が挙げられる。]
[0175] ALK活性または発現により特徴付けられる疾患または症状としては、限定はされないが、ALK陽性未分化大細胞リンパ腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、びまん性大細胞型B細胞非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、食道癌、乳癌、神経芽細胞腫およびグリア芽腫が挙げられる。]
[0176] 組成物および投与法]
[0177] 特定の態様では、本発明により提供される化合物を含む組成物が提供される。該組成物は、例えば、上述した使用方法において用い得る。]
[0178] 特定の実施形態では、本発明により提供される組成物は薬学的組成物または単独の単位投与量の形態である。本発明により提供される薬学的組成物、および単独の単位投与量の形態は、予防的または治療的に有効な量の1つ以上の予防または治療薬剤を含み(例えば、本発明により提供される化合物、または他の予防または治療薬剤)、および1つ以上の薬学的に許容される担体もしくは賦形剤もしくは希釈剤を含む。特定の実施形態において、およびこの文脈においては、用語「薬学的に許容される」は、連邦もしくは州政府の規制当局により承認されるか、または米国薬局方もしくは他の通常認識される薬局方に収載されている、動物、より具体的にはヒトに使用されるものを意味する。用語「担体」は、治療薬とともに投与される、希釈剤、アジュバント(例えば、フロイントのアジュバント(完全および不完全))、賦形剤、またはビヒクルを意味する。かかる薬学的担体は、滅菌された液体、例えば水および油類であり、該油類は、石油、動物、植物、または合成由来のものであり、例えばピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油などであってよい。水は薬学的組成物が静脈内に投与される場合の特定の担体である。生理食塩水、デキストロース水溶液、およびグリセリン溶液も液状担体、特に注射用溶液として用いることができる。適切な薬学的担体の例は、マーリン(Martin)E.W.著「Remington'sPharmaceuticalSciences」に記載されている。]
[0179] 一実施形態では、薬学的組成物および調剤の形態は、1つ以上の賦形剤を含む。適切な賦形剤は薬学分野の当業者には周知であり、また適切な賦形剤の非限定的例しては、デンプン、グルコース、乳糖、ショ糖、ゼラチン、モルト、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセリン、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。特定の賦形剤が、薬学的組成物または剤形の取り込みにとり適切か否かは、限定はされないが、調剤の剤形が患者に投与される方法、およびその調剤の剤形に含まれる特定の活性成分などを含む、当分野で周知の種々の因子に依存する。必要に応じて、前記組成物または単独の単位投与量の形態は、少量の湿潤剤、乳化剤、またはpH緩衝剤を含むことができる。]
[0180] 本発明により提供される、乳糖を含まない組成物は、当分野で周知の、例えば米国薬局方(USP)SP(XXI)/NF(XVI)に記載された賦形剤を含むことができる。一実施形態では、乳糖を含まない組成物は、活性成分、結合剤/充填剤、および薬学的に相溶性かつ薬学的に許容される量の潤滑剤を含むことができる。例示的な乳糖を含まない剤形は、活性成分、微結晶性セルロース、アルファー化デンプン、およびステアリン酸マグネシウムを含む。水は特定の化合物の分解を促進するため、本明細書においては活性成分を含む無水の薬学的組成物および剤形が提供される。例えば、水の添加(例えば、5%)は、薬学的技術においては、製剤の保管寿命または経時的な安定性などの特性を決定する目的で、長期保存をシミュレートする手段として広く受け入れられている。例えば、ジェンズ・T・カールステンセン(Jens T.Carstensen)著、「Drug Stability:Principles & Practice」第二版、マーセル・デッカー社(MarcelDekker),NY,NY,1995,ページ379〜80を参照されたい。事実上、水および熱は特定の化合物の分解を加速する。水分および/または湿度は、製造、取り扱い、包装、保管、出荷および製剤の使用の過程で、通常遭遇するために、したがって、水の製剤に対する効果は大きな重要性を持つ。]
[0181] 本発明により提供される、無水の薬学的組成物および剤形は、無水または低水分の成分、および低水分または低湿度の条件を用いて調製できる。製造、包装および/または保管中に、水分および/または湿度との実質的接触が予期される場合、乳糖および1級または2級アミンを含む、少なくとも1つの活性成分を含む薬学的組成物および剤形は、特定の実施形態では無水である。]
[0182] 無水の薬学的組成物は、無水性が維持されるような状態で、調製され保管されるべきである。したがって、特定の実施形態では、無水の組成物は、適切な製剤キット中に包装されるように、水への曝露を防止することが知られている物質を用いて包装される。適切な包装の例は、限定はされないが、密閉されたフォイル類、プラスチック、単位投与量容器(例えば、バイアル)、ブリスター・パック、およびストリップ包装である。]
[0183] 活性成分の分解速度を低減する1つ以上の化合物を含む、薬学的組成物および剤形が本発明により提供される。そのような化合物は本明細書において「安定剤」と称され、限定はされないが、アスコルビン酸などの酸化防止剤、pH緩衝剤、または塩緩衝剤が含まれる。]
[0184] 前記薬学的組成物および単独の単位投薬形態は、溶液、懸濁液、乳濁液、錠剤、ピル、カプセル、粉末、徐放製剤などの形態を取り得る。経口製剤は医薬品等級のマンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的担体を含むことができる。患者への適切な投与のために、かかる組成物および剤形は、特定の実施形態では、予防的または治療的に有効な量の予防または治療薬剤を、純粋な形態で、適切な量の担体とともに含む。その製剤は投与の様式に適したものであるべきである。特定の実施形態では、薬学的組成物、または単独の単位投薬形態は消毒され、および特定の実施形態では哺乳類などの動物被験体、特にヒト被験体である被験体への投与に適切な形態である。]
[0185] 本発明により提供される薬学的組成物は、その意図された投与経路に適合するように製剤される。投与経路の例としては、限定はされないが、例えば、静脈内、皮内、皮下、筋肉内などの非経口投与、経口、口腔粘膜、舌下、吸入、経鼻、経皮、局所、経粘膜、腫瘍内、滑膜内、および直腸内投与が挙げられる。]
[0186] 特定の実施形態では、前記組成物は、ヒトに静脈内、皮下、筋肉内、経口、経鼻、または局所投与に適合する薬学的組成物として、常法に従って製剤されている。]
[0187] 一実施形態では、薬学的組成物はヒトへの皮下投与のために、常法に従って製剤されている。一実施形態では、静脈内投与のための組成物は無菌の等張性緩衝液の水溶液に含まれる。必要な場合は、この組成物は溶解剤および注射部位の痛みを和らげるためのリグノカインなどの局所麻酔剤をさらに含むことができる。]
[0188] 剤形の例としては、限定はされないが、錠剤、カップレット、ゼラチン製軟カプセル剤などのカプセル剤、カチェット(cachet)、トローチ、薬用キャンディー、座剤、軟膏、パップ(湿布)、ペースト、粉末、包帯、クリーム、絆創膏、溶液、パッチ、エアロゾル(例えば、経鼻スプレーまたは吸入剤)、ゲル、患者への経口または粘膜投与に適した懸濁液(例えば、水性または非水性液体懸濁液、水中油乳濁液、または油中水液体乳濁液など)、溶液、およびエリキシル剤などを含む液状剤形、患者への非経口投与に適した液状剤形、および患者への非経口投与に適した液状剤形を与えるような再構成可能な滅菌固形物(例えば、結晶または非晶質固形物)が挙げられる。]
[0189] 本発明により提供される剤形の、組成、形状、および種類は、一般的にその使用法に応じて変化する。例えば、炎症または関連する疾患の急性治療に用いられる剤形は、同じ疾患の慢性治療に用いられるものと比較して、より大量の1つ以上の活性成分を含むことができる。さらに治療的に有効な剤形は、癌の種類により変化する。同様に、同じ疾患または疾患の治療において、非経口用剤形は、経口用剤形に比較して、より少量の1つ以上の活性成分を含むことができる。本発明により提供される特定の剤形が互いに異なる、これらおよび他の方法は、当業者には直ちに明白である。例えば、「Remington's Pharmaceutical Sciences」第18版、Mack Publishing,Easton PA(1990)を参照されたい。]
[0190] 本発明により提供される組成物の成分は、例えば、凍結乾燥された粉末もしくは活性製分量を標記したアンプルもしくは小袋などの密閉容器中の水を含まない濃縮物などの、単位投薬形態中に単独または互いに混合して供給される。組成物が点滴により投与される場合は、無菌の薬学的グレードの水または生理食塩水を含む点滴ビンから分注されることができる。組成物が注射により投与される場合は、成分を投与前に混合できるように、注射用無菌水または生理食塩水が提供される。]
[0191] 典型的剤形は、本発明により提供される化合物、またはその薬学的に許容な塩、溶媒和物もしくは水和物を含み、その量は1日あたり約0.1mgないし約1000mgの範囲にわたる。特定の剤形は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、2.0、2.5、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、100、200、250、500、または1000mgの前記化合物を有する。]
[0192] 経口用剤形]
[0193] 本発明により提供される経口投与に適した薬学的組成物は、限定はされないが、錠剤(例えば、チュアブル錠剤)、カップレット、カプセル、および液体(例えば、香りつきシロップ)などの個別の剤形で提供されることができる。かかる剤形は、所定量の活性成分を含み、および薬学分野で当業者に周知の方法により調製できる。一般的なことに関しては、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、18版、Mack Publishing、Easton PA(1990)を参照されたい。]
[0194] 特定の実施形態では、経口用剤形は固形であり、また上記の節で述べたように、無水条件下で無水成分を用いて調製できる。しかしながら、その範囲は無水、固形状の経口用剤形を越えて拡張できる。そのようなものとして、本明細書において更なる形態が記載される。]
[0195] 本発明により提供される典型的な経口用剤形は、通常の薬学的複合技術に従って、活性成文(複数も可)を少なくとも1つの賦形剤中に緊密に混合する。投与に所望される調剤の形態に応じて、賦形剤は多岐にわたる形態を取り得る。例えば、経口液体またはエアロゾル剤形での使用に適した賦形剤としては、限定はされないが、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存料、および着色剤が挙げられる。固形状の経口用剤形(例えば、粉末、錠剤、カプセル、およびカップレット)での使用に適した賦形剤の例としては、限定はされないが、デンプン、糖類、微晶質セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、および崩壊剤が挙げられる。]
[0196] 錠剤およびカプセルは、その投与の容易さのために、ほとんどの有利な経口用調剤の単位形態を代表するが、この場合には固形状の賦形剤が用いられる。必要に応じて、錠剤は標準的な水性または非水性技術により被覆できる。かかる剤形は薬学分野の任意の方法により調製できる。一般に、薬学的組成物および剤形は、活性成分を液体の担体、細かく分割された固形状の担体、またはその両方と均一におよび緊密に混合し、次いで、必要に応じて生成物を所望の形状に成形することにより、調製できる。]
[0197] 例えば、錠剤は圧縮または成形により調製できる。圧縮された錠剤は、粉末または顆粒などの自由流れ形態の活性成分を、任意に賦形剤と混合して、適切な機械中で圧縮することにより調製できる。成形された錠剤は、液状希釈剤で湿潤化した粉末の化合物の混合物を、適切な機械中で成形することにより調製できる。]
[0198] 経口用剤形に使用できる賦形剤の例としては、限定はされないが、結合剤、充填剤、崩壊剤、および潤滑剤が挙げられる。適切な薬学的組成物および剤形における使用に適した結合剤としては、限定はされないが、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、または他のデンプン、ゼラチン、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末トラガカント、グアーガムなどの天然および合成ゴム類、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、セルロースアセテート、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、番号2208、2906、2910)、微晶質セルロース、およびこれらの混合物が挙げられる。]
[0199] 本明細書において開示される薬学的組成物および剤形における使用に適した充填剤としては、限定はされないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、微晶質セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファー化デンプン、およびそれらの混合物が挙げられる。本発明により提供される薬学的組成物中の結合剤または充填剤は、典型的には薬学的組成物または剤形の約50ないし約99重量パーセント存在する。]
[0200] 微晶質セルロースの適切な形態は、限定はされないが、それぞれAVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICELRC−581、AVICEL−PH−105(ペンシルバニア州マーカス・フック(Marcus Hook)の、FMCCorporation,American Viscose Division,Avicel Salesから入手可能)の名前で販売される物質、およびそれらの混合物が挙げられる。特定の結合剤はAVICELRC−581として販売されている微晶質セルロース、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムの混合物である。適切な無水もしくは低水分賦形剤または添加物としては、AVICEL−PH−103(商標名)およびスターチ(Starch)1500LMが挙げられる。]
[0201] 崩壊剤は、錠剤を水性環境に曝されたときに崩壊させるために組成物中に用いられる。過多の崩壊剤を含む錠剤は、保存中に崩壊する可能性があり、一方過少のものを含む錠剤は、所望の条件下で所望の速度で崩壊しない可能性がある。したがって、多すぎもせず、少なすぎもしない、活性成分の放出を有害に変化させない、十分な量の崩壊剤が、本発明により提供される固形状の経口用剤形の形成に用いられるべきである。崩壊剤の使用量は製剤の種類に応じて変化するもので、当業者には容易に認識できる。典型的な薬学的組成物は、約0.5ないし約15重量パーセントの崩壊剤、特に約1ないし約5重量パーセントの崩壊剤を含む。]
[0202] 薬学的組成物および剤形において使用できる崩壊剤としては、限定はされないが、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微晶質セルロース、クロスカーメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルファー化デンプン、他のデンプン類、粘土類、他のアルギン類、他のセルロース類、ゴム類、およびそれらの混合物が挙げられる。]
[0203] 薬学的組成物および剤形において使用できる潤滑剤としては、限定はされないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール類、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリル酸エチル、寒天、およびそれらの混合物が挙げられる。追加的な潤滑剤としては、例えば、サイロイドシリカゲル(メリーランド州ボルチモア(Baltimore)のW.R.Grace 社により製造されるAEROSIL 200)、合成シリカの凝固エアロゾル(テキサス州プラノ(Plano)のDegussa社により販売される)、CAB-O-SIL(マサチューセッツ州ボストン(Boston)のCabat社により販売される焼成酸化ケイ素製品)、およびそれらの混合物が挙げられる。使用される場合潤滑剤は、それが組み込まれる薬学的組成物または剤形の、典型的に約1重量パーセント未満の量が用いられる。]
[0204] 放出制御性剤形]
[0205] 本発明により提供される化合物などの活性成分は、当業者に周知の放出制御手段または送達機器により投与することができる。例としては、限定はされないが、米国特許第3,845,770、3,916,899、3,536,809、3,598,123、および4,008,719、5,674,533,5,059,595、5,591,767、5,120,548、5,073,543,5,639,476、5,354,556、および5,733,566の各号に記載されたものが挙げられ、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。かかる剤形は、使用される1つ以上の活性成分の、遅いまたは制御された放出を与えるために用いることができ、変化する比率で所望の放出を与えるために、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマー性マトリックス、ゲル、透過性膜、浸透システム、多層被覆、微小粒子、リポソーム、ミクロスフェア、又それらの組み合わせが用いられる。本明細書において記載されるものを含め、当業者に周知の活性成分とともに使用するための、適切な放出制御製剤は容易に選択できる。経口投与に適した単独の単位投薬形態として、限定はされないが、放出制御に適合された錠剤、カプセル、ジェルキャップ、およびカップレットが提供される。]
[0206] 全ての放出制御型薬学的製品は、非制御放出型のものにより達成されるものと比較して、改善された薬物療法をもたらすという共通の目的を有する。理想的には、最適に設計された放出制御型製剤の医学的治療での使用は、最小限の治療薬の使用、または症状の制御のための最小限の時間量により特徴付けられる。放出制御型製剤の利点としては、延長された薬剤の活性、調剤頻度の削減、および患者の服薬遵守の改善が挙げられる。加えて、放出制御型製剤は、活性発現の時間、または薬剤の血中濃度などの他の特性に影響を与えるために使用でき、したがって副作用(例えば副作用)の発生に影響を与えることができる。]
[0207] ほとんどの放出制御型製剤は、迅速に所望の治療効果をもたらすために、最初に薬剤(活性成分)の一定量を放出し、この水準の治療的または予防的効果を延長された期間にわたって維持するために、薬剤の追加量を徐々に、継続的に放出するように設計されている。この一定の体内薬剤濃度を維持するためには、該薬剤は、体内で代謝され排泄される薬剤量を補う速度で、剤形から放出されなければならない。活性成分の制御型放出は、限定はされないが、pH、温度、酵素、水、または他の生理的条件または化合物を含むさまざまな条件により促進される。]
[0208] 非経口用剤形]
[0209] 非経口用剤形は、限定はされないが皮下、静脈内(急速静脈注射を含む)、筋肉内、および動脈内を含むさまざまな経路で患者に投与され得る。これらの投与は、一般的に汚染物質に対する患者の自然な防御を回避してしまうために、特定の実施形態では、非経口用剤形は無菌であるか、または患者への投与に先立って無菌化できる能力を有する。非経口用剤形の例としては、限定はされないが、直ちに注射できる溶液、注射用に直ちに薬学的に許容されるビヒクルに溶解または懸濁できる乾燥製品、直ちに注射できる懸濁液、および乳濁液が挙げられる。]
[0210] 非経口の剤形を提供するために、使用可能な適切なビヒクルは、当業者にはよく知られている。例としては、限定はされないが、注射用水USP、限定はされないが、塩化ナトリウム注射用、リンゲル注射用、デキストロース注射用、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射用、および乳酸化リンゲル注射用などの水性ビヒクル、限定はされないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールなどの水混和性ビヒクル、および限定はされないが、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、およびベンジルベンゾエートなどの非水性ビヒクルが挙げられる。]
[0211] 本明細書において開示される1つ以上の活性成分の溶解性を増大させる化合物も、非経口用剤形に組み込まれることができる。]
[0212] 経皮、局所、および経粘膜用剤形]
[0213] 本発明により提供される経皮、局所、および経粘膜用剤形としては、限定はされないが、眼用溶液、スプレー、エアロゾル、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、溶液、乳濁液、懸濁液、または他の当業者に周知の形態が挙げられる。例えば、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、第16および18版、Mack Publishing,Easton PA(1980&1990);および「Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms」、第4版、Lea&Febiger,Philadelphia(1985)を参照されたい。口腔内の粘膜組織の治療に適した剤形は、口内洗浄液または口内ゲルとして製剤可能である。さらに、経皮用剤形としては、活性成分の所望量を浸透させることができるように、皮膚に貼付でき、特定の期間にわたり貼り付けておくことができる「リザーバ型」または「マトリックス型」パッチが挙げられる。]
[0214] 本発明により提供される、経皮、局所、および経粘膜剤形を提供するために使用できる、適切な賦形剤(例えば、担体および希釈剤)および他の物質は、薬学的技術の当業者にはよく知られており、および所与の薬学的組成物または剤形が塗布される特定の組織に依存する。そこで、無毒性および薬学的に許容されるローション、チンキ剤、クリーム、乳濁液、ゲルまたは軟膏を形成するための局所用賦形剤としては、限定はされないが、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、およびそれらの混合物が挙げられる。所望であれば湿潤化剤または保湿剤も、薬学的組成物および剤形に加えることができる。かかる付加的成分の例は当技術分野ではよく知られている。例えば、「Remington's Pharamaceutical Sciences」、第16および18版、Mack Publishing,Easton PA(1980&1990)を参照されたい。]
[0215] 治療されるべき特定の組織に依存して、本発明により提供される活性成分を用いる治療の、前に、同時に、または後に、付加的成分を用いることができる。例えば、浸透増強剤を活性成分の組織への送達を支援するために用いることができる。適切な浸透増強剤としては、限定はされないが、アセトン;エタノール、オレイルアルコール、およびテトラヒドロフリルアルコールなどのさまざまなアルコール;ジメチルスルホキシドなどのアルキルスルホキシド;ジメチルアセトアミド;ジメチルホルムアミド;ポリエチレングリコール;ポリビニルピロリドンなどのピロリドン;コリドン・グレード(Kollidon grade)(ポビドン、ポリビドン);尿素;ならびにTween80(ポリソルベート80)およびSpan60(ソルビタンモノステアレート)などのさまざまな水溶性または非水溶性糖エステルが挙げられる。]
[0216] 薬学的組成物もしくは剤形、または薬学的組成物もしくは剤形が塗布される組織のpHも、1つ以上の活性成分の送達を改善するために調整できる。同様に、送達を改善するために、溶媒担体の極性、その等張強度、または張度も調整できる。ステアリン酸塩のような化合物も、送達を改善するために、1つ以上の活性成分の親水性または疎水性を有利に変更するために、薬学的組成物または剤形に加えることができる。この関連で、ステアリン酸塩は、製剤のための乳化剤または界面活性剤として、および送達増強剤または浸透増強剤として、脂質性ビヒクルとして機能できる。活性成分の異なる塩、水和物または溶媒和物を生成する組成物の性質をさらに調整するために使用できる。]
[0217] 投与量および投与回数]
[0218] 疾患またはその1つ以上の症状の、予防、治療、管理、または軽減において有効である化合物または組成物の量は、疾患または症状の性質または重症度、ならびに活性成分が投与される経路に応じて変化する。その投与回数および投与量も投与される特定の治療剤(例えば、治療的または予防的薬剤)、疾患、疾患、または症状の重症度、投与経路、同様に、年齢、身体、体重、応答、および患者の過去の病歴に依存して、それぞれの患者に特有の因子に従って変化する。有効投与量はインビトロまたは動物モデル系から誘導された用量−反応曲線から推定することができる。]
[0219] 化合物の投与量の例としては、被験体または試料の体重1Kgあたり、ミリグラムまたはマイクログラムの量の活性ペプチド(例えば、Kgあたり約1マイクログラムないしKgあたり約500ミリグラム、Kgあたり約100マイクログラムないしKgあたり約5ミリグラム、またはKgあたり約1マイクログラムないしKgあたり約50マイクログラム)が挙げられる。一実施形態では、本明細書において記載される症状のための、本発明により提供される化合物の推奨される1日あたりの投与量は、1日あたり約0.01mgないし約1000mgであり、特定の実施形態では、1日1回の単独量として与えられることもあり、1日を通じて数回に分割されて与えられることもある。当業者にとっては明白であるが、特定の場合には、本明細書において開示される投与量外の活性成分の投与量が必要な場合があり得る。さらに、臨床家または治療医師は、個別の患者の反応に伴って、いつ、およびどのように、治療薬の中断、調整、または終了するかを周知しているであろう。]
[0220] 異なる治療的に有効な量は、異なる疾患および症状に適用可能であり、当業者は容易に知ることが可能である。同様に、そのような疾患の予防、管理、処置、または軽減に十分な量であって、しかし本発明により提供される化合物に関連する副作用を引き起こすのには不十分か、またはその副作用を軽減するのに十分な量は、上述の投与量および投薬回数の計画に包含される。さらに、本発明により提供される化合物が患者に対して複数回投与される場合は、投与量が毎回同一である必要はない。例えば、患者に投与される投与量は、化合物の予防的または治療的効果を増強するために増やすことが可能であり、もまたは特定の患者に生ずる1つ以上の副作用を軽減するために減らすこともできる。]
[0221] 特定の実施形態では、本発明により提供される同じ化合物を反復投与してもよく、またその投与間隔は、少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2ヶ月、75日、3ヶ月、または6ヶ月とすることができる。他の実施形態では、同じ予防または治療薬剤を反復投与してもよく、およびその投与の間隔は、少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2ヶ月、75日、3ヶ月、または6ヶ月とすることができる。]
[0222] 生物学的分析]
[0223] 以下の分析を、さまざまなチロシンキナーゼの、触媒的キナーゼ活性の阻害剤としての小分子化合物の活性の解明に用いることができる。]
[0224] キナーゼの分析]
[0225] IGF1R、InsR、Alk、TrkAおよびJak2などのいくつかのチロシンキナーゼの阻害を測定するために、キナーゼ−Glo(プロメガ(Promega))またはアルファスクリーン(AlphaScreen)(パーキンエルマー(PerkinElmer))分析キナーゼ分析プラットフォームのいずれかを用いて分析キナーゼ分析を実施した。このキナーゼ−Glo分析発光キナーゼ分析は、キナーゼ活性をキナーゼ反応後に残存するATPの量により測定する均一的 方法である。発光シグナルはATPの量に比例し、およびキナーゼ活性の量に逆比例する。チロシンキナーゼPT66アルファスクリーン(AlphaScreen)分析は、高感度の、均一的な、抗ホスホチロシン抗体により媒介される、リン酸の合成ポリ(Glu−Tyr)基質への取り込みを測定する発光近接法である。使用されるキナーゼ調製物は、バキュロ・ウイルス系において発現されたRTKに対応する、精製された組み換え型の6xHisまたはGST標識キナーゼ領域フラグメントからなる。]
[0226] ALK阻害剤候補物質の小分子のハイスループット・スクリーニングのための酵素的分析キナーゼ分析]
[0227] パーキンエルマー・ライフサイエンス(PerkinElmerLife Sciences(マサチューセッツ州ボストン(Boston))により販売されているアルファスクリーン(AlphaScreen)(商標)(増幅発光近接均一分析分析(Amplified Luminescent Proximity Homogeneous Assay))技術を改良したハイスループット酵素測定を、ALK活性の試験のために用いることができる。この方法論は、構成的に活性な精製された融合キナーゼの、ビオチン化されたポリ(GT)基質ペプチドをリン酸化する能力にもとづいたNPM−ALK活性の評価に適応させた。この分析では、NPM−ALK活性は、ストレプトアビジンに結合されたビオチン化ポリ(GT)(G:T=4:1)ペプチドの、精製されたキナーゼによるチロシンリン酸化反応に起因して、ストレプトアビジンにより被覆された「供与体」ビーズと、このリン酸化が「受容体」ビーズに結合された抗ホスホチロシン抗体に認識され、「供与体」ビーズと「受容体」ビーズが近接したときの波長680nmの入射光を520ないし620nmの放射波長へシフトさせることにより測定される。「供与体」ビーズは、680nmのレーザー光により照射されたときに、雰囲気酸素を励起一重項酸素に変換する光線感作物質を含む。これらの一重項酸素分子は拡散して、「供与体」の近傍にある「受容体」ビーズ中のチオキセン誘導体と反応し(200nm未満の間隔の場合)、次いで放射光の波長を520ないし620nmに偏移させる。NPM−ALK活性が全くない場合、入射光および放射光の波長は同一である(すなわち、680nm);キナーゼ阻害の部分的程度は、波長シフトに基づき定量的に評価される。]
[0228] 40μM、20μM、10μM、5μM、2.5μM、1.25μM、0.625μM、0.3125μM、0.15625μM、および0.078125μMにわたる濃度の化合物が昆虫細胞内で6xHIS標識融合タンパクとして生成されたNPM−ALKとインキュベートされ、および10μMのATPおよび7.0ngのビオチン化ポリ−GTの存在下に、室温で30分間、ニッケル荷電樹脂(nickel-charged resin)を用いて精製された。次いで受容体ビーズおよび供与体ビーズの1:1混合物を反応物に添加し、さらに60分間室温でインキュベートした。分析はマルチプローブ(MultiPROBE)液体処理ワークステーション(liquid handling workstation)(パーキンエルマー(PerkinElmer))で、1ウエルあたりの反応物の総量を40μLとして384ウエル・プレートでおこなった。。全ての化合物の希釈標準溶液(working stock)を100%DMSOに溶解し、、キナーゼ緩衝液(50mMトリス−HCl(pH7.5)、5mMMgCl2、5mMMnCl2、2mMDTT(使用前に新たに加えられた)、0.01%Tween−20)を含む5%DMSOを用いて化合物の連続希釈をおこなったおこなった。全ての分析に盛り込まれる対照試料は、5%DMSOを含み、化合物を含まないキナーゼ緩衝液と、NPM−ALKを30ないし50nMのKi値で阻害することを本発明の発明者らによって示されたスタウロスポリンとを含むものとした。データの収集は、フュージョン(Fusion)(登録商標)マイクロプレートアナライザー(パーキンエルマー(PerkinElmer))を使用して、520ないし680nmにおける光学的読み取りによっておこない、IC50およびKi値をPRISM3.0ソフトウエア(GraphPad Software,Inc.,カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego))を用いて計算した。同じ分析法に多少の変更を施して用い、、他の5種類のチロシンキナーゼ(IRK、IGF1R、Flt3、Abl、Src)(全て供給メーカーから購入した)について、選択された化合物のIC50およびKi値を評価した。ポリGT−ビオチンはCISバイオインターナショナル(Biointernational)からカタログ番号61GT0BLDのものを;ATPはシグマ(Sigma)からカタログ番号A7699のものを;オルトバナジン酸ナトリウムはシグマ(Sigma)からカタログ番号S−6508のものを;ホスホチロシン(PT66)分析キットはパーキンエルマー(PerkinElmer)からカタログ番号6760602Mのものを;自動化されたワークステーション用のチップ(20μL)はパーキンエルマー(PerkinElmer)からカタログ番号6000657のものを;およびオプティプレート(OptiPlate)−384(白色)はパーキンエルマー(PerkinElmer)からカタログ番号6007299のものを購入した。]
[0229] 小分子阻害剤スクリーニングのための細胞に基づいたXTT分析]
[0230] IL−3依存性リンパ細胞株BaF3またはNPM−ALKの遺伝子操作発現によりIL−3非依存性にされたBaF3を、各候補化合物の試験に平行して用いた。対照ウエルには試験化合物を含まないDMSO溶媒を入れた。分析においてALKシグナル伝達の特異的阻害は、親BaF3の増殖増殖変化を伴わないNPM−ALK発現BaF3細胞増殖の障害により示される。この細胞増殖および生存率の比色分析は、水溶性オレンジフォルマゾン染料に対する黄色のモノテトラゾニウム塩XTTの還元(生存細胞中のミトコンドリア脱水素酵素のみによって触媒される反応)に基づいている(Cell Proliferation Kit II、カタログ番号1 465 015、Roche Biochemicals)。NPM−ALKを発現するように改変されたBaF3細胞を損傷する能力について化合物を試験することに加えて、NPM−ALK陽性ヒトリンパ腫細胞株Karpas-299(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und ZellkulturengmbH(DSMZ) no.ACC31)、ヒトBCR−ABL陽性慢性骨髄性白血病細胞株K562(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(ATCC) no.CCL-243)、およびヒトT細胞白血病株ジャーカット(Jurkat)(DSMZ no.ACC 282)をそれらの分析で用いた。]
[0231] 最初に、各化合物の100%DMSO保存溶液を8%DMSO/培地を用いて希釈して、250μM化合物の希釈標準溶液を作った。次に、この希釈標準溶液を、DMSOを含まない培地を用いて1:1連続希釈(すなわち、125μM、62.5μM、31.25μM、15.625μM、7.8125μM、および3.90625μM)をおこなった。次いで、これらの希釈溶液のそれぞれ20μLを、細胞(96ウエルあたり2x104細胞含有培地80μL)に添加することで、最終化合物濃度(すなわち、25μM、12.5μM、6.25μM、3.125μM、1.5625μM、および0.78125μM)を得た。分析での最大最終DMSO濃度は2.61%であり、この濃度が細胞の生存率および増殖には影響を与えないという知見が得られた。この分析の判断をおこない、試験化合物を培養物に添加してから72時間後の細胞のIC50値を決定した。]
[0232] 式(I)に従う化合物は、当業者に周知の任意の方法により調製できる。以下に、その調製法の典型的な例を示す。]
[0233] スキーム1
置換−6,7−ジヒドロイミダゾ[4,5−f]イソインドール−5(1H)−オンの合成:
一般的方法1:]
[0234] ]
[0235] 式中
Z1はClまたはIであり;および
ARは任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールから選ばれる。]
[0236] この説明は以下の記載においても用いる。]
[0237] スキーム2
アミンR4−NH2の合成
一般的方法2:]
[0238] ]
[0239] このスキームはJ.Med.Chem.35(1992),280〜285に記載されていた。このラセミ化合物は、限定はされないが、キラル・クロマトグラフィー(例えば、キラル担持カラム上でのクロマトグラフィー)、キラル酒石酸塩または任意の入手可能なキラルカルボン酸もしくはスルホン酸との塩などのイオン性もしくは共有結合性のいずれかのジアステレオマー化合物の形成を含む、当技術分野で周知の任意の分割方法により分割することができる。共有結合化合物の例としては、非ラセミ化アミドカップリング反応により形成される、キラルなマンデルアミドなどの対応するジアステレオマーアミドが挙げられ、次いで、クロマトグラフィー、または分別晶出のいずれかにより分離される。]
[0240] スキーム3
アミンR4−NH2の合成
一般的方法3:]
[0241] ]
[0242] スキーム4
キラルなアミンR4−NH2の合成
一般的方法4:]
[0243] ]
[0244] 式中Y2は水素、ブロモまたはヨードから選ばれる。]
[0245] キラルおよび/またはラセミのアミンの合成は、上記の一般的スキームに従っており、およびこの方法は以下に記載されている方法の変法である:ワグナー(Wagner),ジャレド(Jared) M.;マックエルヘニー(McElhinny),チャールズ(Charles) J.; ルイン(Lewin),アニタ(Anita) H.;キャロル(Carroll),F.アイビー(Ivy) Tetrahedron: Asymmetry(2003),14(15) ,2119〜2125。]
[0246] 非限定例を以下に説明する。]
[0247] 実施例]
[0248] 実施例1.]
[0249] 一般的手順1]
[0250] ]
[0251] 一般的手順1. (J.Med.Chem.35(1992),280〜285)。置換チオフェン−2−カルバルデヒド(10.0mmol)、ニトロエタン(10ml)、NH4OAc(5.0mmol)の混合物を110℃で4時間撹拌した。室温まで冷却後、溶媒を蒸発させ、残渣をエーテル(50mL)に溶解し、水(2x50mL)で洗浄し、溶液をNa2SO4で乾燥し、溶媒を蒸発させ、残渣をメタノールから再結晶した。沈殿をろ過により収集し、冷(−20℃)メタノールで洗浄し、風乾した。]
[0252] ]
[0253] 3−メチル−2−(2−ニトロプロ−1−ペン−1−イル)チオフェンは一般的手順1にしたがって調製した。黄色固形物、収率9%。
1H NMR(300MHz,CDCl3) δ 8.39 (s,1H), 7.55 (d,J 5.1Hz,1H), 7.01 (d,J 5.1Hz,1H),2.57 (s,3H), 2.43 (s,3H).]
[0254] ]
[0255] 2−メチル−5−(2−ニトロプロパ−1−エン−1−イル)チオフェンは一般的手順1に従って調製した。橙色固形物、収率49%。
1H NMR(300MHz,DMSO) δ 8.32 (s,1H), 7.60 (d,J 3.6Hz,1H), 7.03 (d,J 3.6Hz,1H), 2.55 (s,3H), 2.44 (s,3H).]
[0256] ]
[0257] 3,5−ジメチル−2−(2−ニトロプロパ−1−エン−1−イル)チオフェンは一般的手順1に従って調製した。橙色固形物、収率58%。
1H NMR(300MHz,CDCl3) δ 8.36 (s,1H), 6.71 (s,1H), 2.52 (s,6H), 2.37 (s,3H).]
[0258] ]
[0259] 2,3−ジメチル−5−(2−ニトロプロパ−1−エン−1−イル)チオフェンは一般的手順1に従って調製した。褐色固形物、収率98%。
1H NMR(300MHz,CDCl3) δ 8.19 (s,1H), 7.14 (s,1H), 2.42 (s,3H), 2.38 (s,3H), 2.21 (s,3H).]
[0260] ]
[0261] 2−(2−ニトロプロパ−1−エン−1−イル)−1−ベンゾチオフェンは一般的手順1に従って調製した。黄色固形物、収率100%。
1H NMR(300MHz,CDCl3) δ 8.35 (s,1H), 7.89 (m,2H), 8.67 (s, 1H), 7.42 (m,2H), 2.65 (s, 3H).]
[0262] ]
[0263] 2−エチル−5−(2−ニトロプロパ−1−エン−1−イル)チオフェンは一般的手順1に従って調製した。褐色固形物、収率45%。
1H NMR(300MHz,CDCl3) δ 8.24 (s,1H), 6.90 (s,1H), 2.85 (q、 J 7.0Hz 2H), 2.54 (s,3H), 1.37 (t、 J 7.0Hz,3H).]
[0264] ]
[0265] 2−(4−メトキシフェニル)−5−(2−ニトロプロパ−1−エン−1−イル)チオフェンは、エーテルの代わりにDCMを用いて、一般的手順1に従って調製した。橙色固形物、収率64%。
1H NMR(300MHz,CDCl3) δ 8.25 (s,1H), 7.64 (m,2H), 7.19 (m,2H), 6.93 (m,2H), 3.84 (s,3H), 2.60 (s,3H).]
[0266] ]
[0267] 2−(2−ニトロプロパ−1−エン−1−イル)−5−フェニルチオフェンは一般的手順1に従って調製した。橙色固形物、収率73%。
1H NMR(300MHz,CDCl3) δ 8.25 (s,1H), 7.71 (m,2H), 7.41 (m,5H), 2.65 (s,3H).]
[0268] ]
[0269] 4−メチル−2−(2−ニトロプロパ−1−エン−1−イル)チオフェンは一般的手順1に従って調製した。黄色固形物、収率40%。
1H NMR(300MHz,CDCl3) δ 8.23 (s,1H), 7.20 (s,2H), 2.50 (s,3H), 2.30 (s,3H).]
[0270] 一般的手順2]
[0271] ]
权利要求:

請求項1
式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、塩、水和物、もしくはプロドラッグであって、式中:R2およびR3は、それぞれ独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ、低級アルキルアミノまたはジ−低級アルキルアミノであり;Wは、O、S、またはNReであり、式中Reは水素または低級アルキルから選ばれ;またはWは任意に置換されたメチレン基を形成する2つの水素原子の炭素原子に対する結合を表し式中Rfは水素または低級アルキルから選ばれ;R4はであり、式中Raは任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;Rbは低級アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、アミノメチル、ジ−低級アルキルアミノメチル、またはヘテロシクリルアミノメチルであり;Rcは水素、ヒドロキシ、低級アルコキシ、または低級アルキルから選ばれ;Rdは水素、または低級アルキルから選ばれ;およびR1は、任意に置換されたヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルオキシアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクリルアミノアルキル、アミノアルキル、低級アルキルアミノアルキル、ジ−(低級アルキル)−アミノアルキル、アミノシクロアルキル、アルキルアミノシクロアルキル、ジ−(低級アルキル)−アミノシクロアルキル、ジ−(低級アルキル)−アミノシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、式中該置換基は、水素、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、アミジノ、カルボキシアミド、スルホンアミド、ヒドロキシ、シアノ、1級、2級または3級アミノ、ハロ、アジド、低級アルコキシアルキル、シアノアルキル、アジドアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、メタンスルホニルアルキル、1級、2級または3級アミノ−アルキル、任意に置換されたアリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルケニル、およびアルキニルから選ばれる、化合物。
請求項2
式中R2およびR3は水素またはメチルである、請求項1に記載の化合物。
請求項3
式中Wが、メチレン基を形成する、2つの水素原子の炭素原子への結合を表す、請求項1に記載の化合物。
請求項4
式中Raは任意に置換されたチエニルまたはフェニルであって、該任意の置換基はアルキル、アルコキシまたはハロである、請求項1に記載の化合物。
請求項5
式中Raは任意に置換されたチエニルまたはフェニルであって、該任意の置換基はメチル、メトキシまたはフルオロである、請求項1に記載の化合物。
請求項6
式中Raは2−チエニル、フェニル、3−メチル−2−チエニル、2−メチルフェニル、5−フルオロ−2−メチルフェニル、5−フルオロ−2−メトキシフェニル、2,3,5−トリフルオロフェニルまたは2,3,5,6−テトラフルオロフェニルである、請求項1に記載の化合物。
請求項7
式中RcおよびRdは水素またはヒドロキシである、請求項1に記載の化合物。
請求項8
式中Rbはアルキルである、請求項1に記載の化合物。
請求項9
式中Rbはメチルである、請求項1に記載の化合物。
請求項10
式中R1は以下の基からなる群から選ばれる、請求項1に記載の化合物:式中:R13は水素、低級アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルから選ばれ;R14は水素、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ジ−(低級アルキル)アミノ、低級アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、低級アルコキシアルキル、シアノアルキル、アジドアルキル、ニトロアルキル、ケトアルキル、メタンスルホニルアルキル、アミノアルキル、低級アルキルアミノアルキル、ジ−(低級アルキル)アミノアルキル、任意に置換されたアリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、およびヘテロアリールアルキルから選ばれ;R15は水素、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ−(低級アルキル)アミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヘテロアルキル、低級アルコキシアルキル、アミノアルキル、低級アルキルアミノアルキル、およびジ−(低級アルキル)アミノアルキルから選ばれ;aは0〜4の整数であり;およびt,u、vは独立して0〜5の整数である。
請求項11
式中、R1は以下の基より成るから群から選ばれる、請求項1に記載の化合物:
請求項12
前記結合間の前記R1メチレン鎖および前記ヘテロ原子が、1つ以上の水素、低級アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシアミド、またはスルホンアミドにより任意に置換される、請求項1に記載の化合物。
請求項13
前記R1メチレン基は、OおよびS、NR***、S=O、またはS(=O)2から選ばれるヘテロ原子により任意に置換され、式中R***は水素、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、低級アルキルアミノアルキル、およびジ−(低級アルキル)アミノアルキルからなる群から選ばれる、請求項1に記載の化合物。
請求項14
前記R1環が、低級アルキルまたはヘテロアルキル基により任意に置換される、請求項1に記載の化合物。
請求項15
以下の式(Ia)を有する、請求項1に記載の化合物:
請求項16
前記化合物が以下の基からなる群から選ばれる、請求項1に記載の化合物:
請求項17
1つ以上の薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体、および請求項1〜16のいずれか1つに記載の化合物を含む薬学的組成物。
請求項18
チロシンキナーゼを、請求項1〜16のいずれか1つに記載の化合物のチロシンキナーゼ活性調節に有効な量と接触させる工程を含む、チロシンキナーゼ活性の調節方法。
請求項19
前記チロシンキナーゼが、Alk、Axl、CSFR、DDR1、DDR2、EphB4、EphA2、EGFR、Flt−1、Flt3、Flt4、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、HER2、HER3、HER4、IR、IGF1R、IRR、Kit,KDR/Flk−1、Met,Mer、PDGFRα、PDGFRβ、Ret、Ros、Ron、Tie1、Tie2、TrkA、TrkBおよびTrkCからなる群から選ばれる、請求項18に記載の方法。
請求項20
前記チロシンキナーゼがAlk、Axl、Ret、Ros、TrkA、TrkBまたはTrkCである、請求項19に記載の方法。
請求項21
前記チロシンキナーゼがAlkである、請求項19に記載の方法。
請求項22
チロシンキナーゼ活性に関連する症状または疾患を治療または予防する方法であって、被験体に請求項1〜16のいずれか1つに記載の化合物を投与することを含む方法。
請求項23
前記チロシンキナーゼ活性がAlk活性である、請求項21に記載の方法。
請求項24
前記症状または疾患が、ALK陽性未分化大細胞リンパ腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、びまん性大細胞型B細胞非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、食道癌、乳癌、神経芽細胞腫、およびグリア芽腫からなる群から選ばれる、請求項22に記載の方法。
請求項25
チロシンキナーゼを、請求項1〜16に記載のいずれか1つに記載の化合物と接触させることを含む、チロシンキナーゼ活性を阻害する方法。
請求項26
前記チロシンキナーゼ活性がAlk活性である、請求項25に記載の方法。
請求項27
選択的Alk阻害剤である、請求項1〜16のいずれか1つに記載の化合物。
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